欧州大学協会(EUA)、欧州の大学における研究データ実務に関するレポートを公開

2022年3月31日、欧州大学協会(EUA)が、欧州の大学における研究データ実務に関するレポートを公開したことを発表しました。2021年7月に報告書が公開された、欧州の大学におけるオープンサイエンスについての調査のフォローアップであると述べられています。

報告書では、欧州の大学における、研究データ実務に対する重要性の認識と実際の取組状況、データストレージ・データリポジトリ・研究データ管理計画(DMP)ツールといったインフラの整備状況、研究者への支援サービスの実施状況と内容およびそのための人材や資金、機関レベルでの対応、COVID-19による研究データへの認識等の変化、などがまとめられています。

結論部では大学への推奨事項として、1)研究データ実務の支援方策を機関レベルで策定すること、2)研究データ基盤への投資を継続し、欧州オープンサイエンスクラウド(EOSC)と連携する機会を検討すること、3)大学が研究データ支援専門部署を設置し、データ支援に特化した雇用を行うこと、4)研究データ管理に関する費用のために国の支援など持続的な資金源を探すこと、が述べられています。

A closer look at research data practices in European universities(EUA, 2022/3/31)
https://eua.eu/resources/publications/1016:a-closer-look-at-research-data-practices-in-european-universities.html
https://eua.eu/downloads/publications/research%20data%20follow-up%20report.pdf
※2つ目のリンクはレポートの本体[PDF:22ページ]です。

参考:
欧州大学協会(EUA)、欧州の大学における研究出版物のオープンアクセスに関するレポートを公開
Posted 2022年1月26日
https://current.ndl.go.jp/node/45545

欧州大学協会(EUA)、欧州の大学の学術評価におけるオープンサイエンスの位置づけに関するレポートを公開
Posted 2021年12月21日
https://current.ndl.go.jp/node/45364

欧州大学協会(EUA)、欧州の大学におけるオープンサイエンスについての調査報告書を公開
Posted 2021年7月7日
https://current.ndl.go.jp/node/44361

CA1921 – 「欧州オープンサイエンスクラウド」をめぐる動向 / 尾城孝一
カレントアウェアネス No.335 2018年3月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1921