2022年3月11日、国際学術団体であるインターアカデミーパートナーシップ(InterAcademy Partnership:IAP)が、ハゲタカジャーナルやハゲタカ学会(predatory conference)に関する調査報告書“Combatting Predatory Academic Journals and Conferences”を公開しました。
IAPのワーキンググループにより実施された、2年間の調査の結果をまとめたものです。ハゲタカジャーナル・学会を抑制し対抗するための実践的・効果的な対策を明らかにし、推奨事項を示すことを目的として、文献調査、主要な利害関係者からのエビデンスのヒアリング、世界の研究者1,800人以上を対象とした調査が行われました。
報告書では、ハゲタカジャーナル・学会の現在の定義が不十分であること、認識・理解が不足していること、手口が巧妙化していること、少なくとも100万人の研究者に影響を与えており、数十億のコストがかかっていること等、8点を結果として挙げています。また、それらの結果に関する推奨事項、研究者コミュニティや高等教育機関、多国籍機関向けの推奨事項を示しています。
報告書の全文は英語、要約版は英語・スペイン語・フランス語・中国語・ロシア語・アラビア語・ポルトガル語で公開されています。
World Academies Call for Concerted Action to Combat Predatory Journals and Conferences(IAP, 2022/3/11)
https://www.interacademies.org/news/world-academies-call-concerted-action-combat-predatory-journals-and-conferences
Combatting Predatory Academic Journals and Conferences(IAP)
https://www.interacademies.org/project/predatorypublishing
参考:
文献レビューに基づいた「ハゲタカジャーナル」に対する認識の調査:Jeffrey Beall氏の影響力と弊害の指摘(文献紹介)
Posted 2020年11月27日
https://current.ndl.go.jp/node/42642
ハゲタカ出版社の最新の手口:海賊版・リブランディング(記事紹介)
Posted 2021年10月28日
https://current.ndl.go.jp/node/45077
CA1960 – ハゲタカジャーナル問題 : 大学図書館員の視点から / 千葉 浩之
カレントアウェアネス No.341 2019年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1960