2022年2月2日、国際図書館連盟(IFLA)が南アフリカ共和国の著作権法改正案への意見を提出したことを発表しました。南アフリカでは著作権法改正案が2017年に提出され審議が現在まで続いており、2021年12月3日から2022年1月28日の期間にかけてパブリックコメントが募集されていました。IFLAの意見提出はそれに対してなされたものです。
リリース文では、現時点の法案の内容について、複雑で混乱を招くものであり、図書館での資料利用を抑制してしまうと指摘しています。
提出された意見の中では、マラケシュ条約、TRIPS協定、ベルヌ条約の内容や、フェアユースの原則を、誤って適用した条文になっていること等が指摘されています。また、教育目的での利用に対して過度な条件を設けないこと、貸出により入手した資料を個人利用目的で複製することに対して明確な許可を与えること等が求められています。
Simplicity, flexibility, equity – IFLA submits comments on South Africa’s Copyright Amendment Bill(IFLA, 2022/02/02)
https://www.ifla.org/news/simplicity-flexibility-equity-ifla-submits-comments-on-south-africas-copyright-amendment-bill/
IFLA Submission to Consultation on South African Copyright Amendment Bill, January 2022(IFLA)
https://repository.ifla.org/handle/123456789/1862
関連:
Copyright Amendment Bill (B13-2017)(PARLIAMENTARY MONITORING GROUP)
https://pmg.org.za/bill/705/
Copyright Amendment Bill: additional amendments(PARLIAMENTARY MONITORING GROUP)
https://pmg.org.za/call-for-comment/1114/
参考:
国際図書館連盟(IFLA)、南アフリカ共和国における著作権法改正案に対するコメントを提出
Posted 2021年7月14日
https://current.ndl.go.jp/node/44427
E2399 – 各国の著作権法を整理した国際出版連合(IPA)のレポート
カレントアウェアネス-E No.415 2021.06.24
https://current.ndl.go.jp/e2399
CA1831 – マラケシュ条約―視覚障害者等への情報アクセスの保障に向けたWIPOの取り組み / 野村美佐子
カレントアウェアネス No.321 2014年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1831