イスラエル国立図書館、聖カタリナ修道院の資料約1,700件をデジタル化しオンライン公開

2021年12月22日、イスラエル国立図書館は同館のブログ“The Librarians”において、エジプト・シナイ半島にある聖カタリナ修道院の所蔵資料約1,700件をデジタル化しオンライン公開したと発表しました。

発表によると、聖カタリナ修道院には、初期の聖書や教会音楽、教父の手記をはじめとしたキリスト教関連資料に加え、ギリシャの古典、書簡、文法書、歴史書を含む約3,400の写本等が蓄積されています。約半数は1950年時点で米国議会図書館(LC)によりマイクロフィルム化済みであり、残りの12世紀以降に作成された資料は1968年からイスラエル国立図書館によるマイクロフィルム化が行われました。

近年、テロの脅威等を背景に、同修道院の収蔵資料をデジタル化する国際的な取組が行われており、イスラエル国立図書館も参加しているとあります。今回、劣化の危険性があるため、同館が収集したマイクロフィルム資料のデジタル化が行われ、同館のウェブサイトで検索・閲覧可能です。

また、米・カリフォルニア大学ロサンゼルス校図書館との連携により、古代の手稿類のデジタル化・解析を行う“Early Manuscripts Electronic Library”が、同修道院の写真を高画質かつカラーにするプロジェクトを進めていること等が述べられています。

The Manuscripts of St. Catherine’s Monastery: Now on the National Library of Israel Website(The Librarians, 2021/12/22)
https://blog.nli.org.il/en/stcatherines/

関連:
Post six-day war footage of Egyptian Monastery made public by Israel’s national library(Jerusalem Post, 2021/12/23)
https://www.jpost.com/israel-news/article-689562

参考:
イスラエル国立図書館、15世紀にイベリア半島で作成された旧約聖書の『エステル記』を含むヘブライ語の巻子本“megillah”を入手しデジタル化公開
Posted 2021年2月26日
https://current.ndl.go.jp/node/43375

ヒポクラテスの処方せんか エジプト・聖カタリナ修道院から発見
Posted 2017年7月18日
https://current.ndl.go.jp/node/34379

4世紀ごろの聖書の写本「シナイ写本」がオンラインで無料公開
Posted 2008年7月25日
https://current.ndl.go.jp/node/8384

E949 – 世界最古級の聖書,ヴァーチャル空間で復活
カレントアウェアネス-E No.154 2009.07.22
https://current.ndl.go.jp/e949