米国学校図書館員協会(AASL)の学校図書館基準が学校経営者にもたらす影響(文献紹介)

2021年12月に刊行された、米国学校図書館協会(AASL)のオンラインジャーナル“School Library Research”第24号に、論文“Take Action: A Content Analysis of Administrators’ Understandings of and Advocacy for the Roles and Responsibilities of School Librarians”が掲載されています。

米・プリマス州立大学のPamela Harland氏らによるものであり、AASLが策定した学校図書館基準“National School Library Standards for Learners, School Librarians, and School Libraries”が、学校経営者の学校図書館員の役割と責任に関する認識やアドヴォカシーに及ぼした影響についての調査結果がまとめられています。

学校経営者は、図書館での出来事を学校の目標につなげるだけでなく、どのように成果目標を達成しているか明確に説明することを図書館員に求めていること、学校図書館員のリーダーを影響力のある人・つなぎ役と認識している学校経営者もいること等を指摘しています。また、結論の箇所では、基準と学校経営者の優先事項の間に緊張関係があること、基準には「連携」に関する記載が見られるが、教育のパートナーとしての役割に関する具体的記述がないこと等を述べています。また、学校経営者の理解や視点は、学校図書館職員が経営者のニーズに応える具体的な取組を行うための指針となるとしています。

Research examines AASL Standards impact on administrator initiative(ALA, 2021/12/21)
https://www.ala.org/news/member-news/2021/12/research-examines-aasl-standards-impact-administrator-initiative

Harland, Pamela.; Moreillon, Judi.; Cellucci, Anita. Take Action: A Content Analysis of Administrators’ Understandings of and Advocacy for the Roles and Responsibilities of School Librarians. School Library Research. 2021, 24.
https://www.ala.org/aasl/sites/ala.org.aasl/files/content/pubs/slr/vol24/SLR_TakeAction_V24.pdf