米国の非営利団体Library Futures Foundation、“Controlled Digital Lending”の利点をまとめたポリシーペーパーを公開

2021年8月25日、米国の非営利団体Library Futures Foundation(LFF)が、ポリシーペーパー“Controlled Digital Lending: Unlocking the Library’s Full Potential”の公開を発表しました。なお、LFFは、知識への公平なアクセス権を擁護する非営利団体“Library Futures Institute”の「並列組織」(parallel organization)であり、法改正及び政策に焦点を当てています。

ポリシーペーパーのタイトルとなっているControlled Digital Lending (CDL)とは、図書館が蔵書をデジタル化し、電子的な複製物を「1部1ユーザー」の制限のもと貸し出す方式です。発表によれば米国・カナダの図書館100館以上がCDLを採用しています。

ポリシーペーパーでは、CDLがもたらす利点をまとめるとともに、議会に対し次の点を要求しています。

・図書館が行っているCDLを成文化(codifies)する法律の制定を支援すること
・CDL促進のために助成プログラム等を通じた財政支援を促すこと
・CDLで利用できるデジタル資料に関し、連邦政府による一元的なセット(federal, centralized set)の作成を推進すること

Blog(Library Futures)
https://www.libraryfutures.net/blog
※2021年8月25日付けでポリシーペーパー“Controlled Digital Lending: Unlocking the Library’s Full Potential”の公開が発表されています。

Controlled Digital Lending: Unlocking the Library’s Full Potential(Library Futures)
https://www.libraryfutures.net/post/controlled-digital-lending-unlocking-the-librarys-full-potential
https://www.libraryfutures.net/policy-document-2021
※二つ目のリンクがポリシーペーパーの本文[PDF:6ページ]です。

参考:
知識への公平なアクセス権を擁護する非営利団体“Library Futures Institute”が立ち上げられる
Posted 2021年1月29日
https://current.ndl.go.jp/node/43144

国際図書館連盟(IFLA)、“Controlled Digital Lending(CDL)”を支持する声明を発表
Posted 2021年6月18日
https://current.ndl.go.jp/node/44234

米国南東部研究図書館協会(ASERL)、デジタル資料の“Controlled Digital Lending”導入を検討する図書館向けに法的・技術的な考慮事項等を解説したガイドを公開
Posted 2021年3月1日
https://current.ndl.go.jp/node/43395

Internet Archive(IA)、大手出版社4社の著作権侵害訴訟に対する答弁書を提出:“Controlled Digital Lending(CDL)”による電子書籍貸出の適法性を主張
Posted 2020年8月3日
https://current.ndl.go.jp/node/41641

Internet Archive(IA)による全書籍の売り上げデータ10年分の要求に対する大手出版社4社の返答が公開
Posted 2021年8月20日
https://current.ndl.go.jp/node/44644