CDL Co-op、図書館間相互貸出への“Controlled Digital Lending”導入に関する声明を発表

米・ボストン図書館コンソーシアム(BLC)のウェブサイト上に掲載された2021年10月6日付け記事で、2021年9月にCDL Co-opが声明“Statement on Using Controlled Digital Lending as a Mechanism for Interlibrary Loan”を発表したことが紹介されています。

CDL Co-opは、リソース共有、図書館間相互貸出(ILL)、“Controlled Digital Lending”(CDL)の問題に取り組む図書館員や情報専門家のグループです。なお、CDLとは、図書館が蔵書をデジタル化し、電子的な複製物を「1部1ユーザー」の制限のもと貸し出す方式です。

今回の声明は、ILLの仕組みとしてCDLを導入することに関するものであり、次の章立てからなります。

・ILLの価値
・CDLの定義
・リソース共有のためのCDLに関する共通理解の構築
・ILLでのCDL利用についての10の声明
・参考文献

声明本文の記載によれば、リソース共有の文脈におけるCDLの適用方法に関し図書館やコンソーシアム側では十分に確信が持てていない状況にあるとし、作成の目的として次の3点を挙げています。

・リソース共有におけるCDLについての認識を高める
・CDLの使用に係る図書館側の権利を確認する
・図書館やコンソーシアムが同じ前提・原則に基づき運営されていることを確認し、図書館のリソース共有コミュニティによるサービス向上を図る

記事によれば、CDL Co-opは図書館や関連組織、個人に対し声明への支持を呼び掛けるとともに、今後数か月以内にILLでのCDL利用に関する新たなホワイトペーパーを作成する旨を表明しています。

CDL Co-Op Releases Statement on Using Controlled Digital Lending as a Mechanism for Interlibrary Loan(BLC, 2021/10/6)
https://blc.org/special-highlights/cdl-co-op-releases-statement-using-controlled-digital-lending-mechanism

Statement on Using Controlled Digital Lending as a Mechanism for Interlibrary Loan(Controlled Digital Lending by Libraries)
https://controlleddigitallending.org/illstatement

参考:
米・ボストン図書館コンソーシアム(BLC)、加盟館内での図書館間貸出に“Controlled Digital Lending”を導入へ:導入に関する推奨事項等をまとめたレポートも公開
Posted 2021年9月17日
https://current.ndl.go.jp/node/44831