2021年9月20日、米国情報標準化機構(NISO)は、図書館が図書を対象として行う“Controlled Digital Lending”(CDL)のためのフレームワーク構築に関し、アンドリュー W.メロン財団から助成金12万5,000ドルを獲得したと発表しました。CDLとは、図書館が蔵書をデジタル化し、電子的な複製物を「1部1ユーザー」の制限のもと貸し出す方式です。
今回の助成金によって、NISOは情報コミュニティと協力し、様々な図書館で既に実施されている実践の比較を行い、CDLの複数の側面についてベストプラクティスを定義することで、CDL採用の障壁を下げることができると述べています。使途の例として、“Interoperable System of Controlled Digital Lending”の推奨事項作成を行うNISOのワーキンググループにおける、複数回の対面会議実施を挙げています。
発表によれば、同ワーキンググループの設置は2021年9月15日にNISO内で正式承認されました。その任務として「CDLと従来の貸出・図書館間貸出(ILL)との類似点・相違点を説明するモデルの改良」など6点を挙げるとともに、現在の実践において利用者及びスタッフの経験から得られた教訓を、同ワーキンググループでの検討に含める重要性が強調されています。
NISO Awarded Mellon Funding for Controlled Digital Lending Project(NISO, 2021/9/20)
https://www.niso.org/press-releases/2021/09/niso-awarded-mellon-funding-controlled-digital-lending-project
参考:
米・ボストン図書館コンソーシアム(BLC)、加盟館内での図書館間貸出に“Controlled Digital Lending”を導入へ:導入に関する推奨事項等をまとめたレポートも公開
Posted 2021年9月17日
https://current.ndl.go.jp/node/44831
米国の非営利団体Library Futures Foundation、“Controlled Digital Lending”の利点をまとめたポリシーペーパーを公開
Posted 2021年9月9日
https://current.ndl.go.jp/node/44773
米国南東部研究図書館協会(ASERL)、デジタル資料の“Controlled Digital Lending”導入を検討する図書館向けに法的・技術的な考慮事項等を解説したガイドを公開
Posted 2021年3月1日
https://current.ndl.go.jp/node/43395