2021年9月14日、19の大学・研究図書館が加盟する米・ボストン図書館コンソーシアム(BLC)は、2021年8月に理事会で承認された計画に基づき、加盟館内での図書館間貸出に“Controlled Digital Lending”(CDL)を導入する意向を表明しました。CDLとは、図書館が蔵書をデジタル化し、電子的な複製物を「1部1ユーザー」の制限のもと貸し出す方式です。
BLC内では、2020年9月にCDLワーキンググループの設置が承認され、国内外におけるCDLの状況調査、BLCのステークホルダーとの折衝、CDLに関わる組織との協議を行ってきました。その後、加盟館内の図書館間貸出にCDLを導入するという内容の提言をとりまとめ、理事会に提出しました。ただし、関心のある加盟館のみを対象としたオプトイン方式での導入となっています。
2021年8月の理事会では、ワーキンググループの提言に基づくCDL導入と、導入のための運営委員会設立が承認されました。ワーキンググループでの検討内容は、今回の発表とあわせて公開されたレポート“Consortial CDL: Implementing Controlled Digital Lending as a Mechanism for Interlibrary Loan”にまとめられており、導入に関する推奨事項等が掲載されています。
新たに設立されたCDL運営委員会では、図書館間貸出でのCDL導入に関するシステムの準備を進めており、2022年夏までに加盟館が利用できるようにしたいと述べています。
Boston Library Consortium to implement controlled digital lending for interlibrary loan(BLC, 2021/9/14)
https://blc.org/CDLforILL
※レポートのダウンロード用リンクも掲載されています。
Controlled Digital Lending Steering Committee(BLC)
https://blc.org/cdl
※CDL運営委員会のウェブページです。設立に至る経緯、導入計画の概要、委員のリストが掲載されています。
参考:
米国南東部研究図書館協会(ASERL)、デジタル資料の“Controlled Digital Lending”導入を検討する図書館向けに法的・技術的な考慮事項等を解説したガイドを公開
Posted 2021年3月1日
https://current.ndl.go.jp/node/43395
米国の非営利団体Library Futures Foundation、“Controlled Digital Lending”の利点をまとめたポリシーペーパーを公開
Posted 2021年9月9日
https://current.ndl.go.jp/node/44773