台湾国家図書館、「台湾の学術資源の影響力」に関する分析報告書(2021年版)を公表

2021年4月26日、台湾国家図書館は、「台湾の学術資源の影響力」に関する分析報告書の2021年版『110年台湾学術資源影響力分析報告:台湾学術資源利用及研究主題概況』を公表しました。

同報告書の「一、前言」によれば、主な収録内容は次のとおりです。

・各大学の学位論文に関する、学術上の貢献と影響力の分析。同館の学位論文データベース「台湾博碩士論文知識加値系統」を用いて、論文の公開許諾、ダウンロード、被引用の状況を分析。
・学術誌に関する、学術上の貢献と影響力の分析。同館の学術論文データベース「台湾期刊論文索引系統」と、人文・社会科学分野の学術出版物情報を収録したデータベース「台湾人文及社会科学引文索引資料庫」を用いて、学術誌単位での収録論文ダウンロード数、学術誌の5年インパクトファクター、被引用数を分析。
・研究テーマに関する動向の分析。「台湾期刊論文索引系統」及び「台湾博碩士論文知識加値系統」の収録論文に設定されたキーワードから、近年注目を集めている研究テーマを分析。

同報告書では、それぞれの分析結果からみた大学・論文・学術誌等のランキングが掲載されています。また、「六、結論」では、主な分析結果として次の4点を挙げています。

・学位論文では、人工知能関連の研究が依然として関心を集めるテーマとなっている
・雑誌論文では、「COVID-19」「米中貿易戦争」といったテーマが関心を集めており、重要な時事問題を反映している
・雑誌論文にみる研究動向からは、人工知能に関する研究が今後も重視されることが予想される。また、雑誌論文で関心を集めるテーマが学位論文でも同様に関心を集めるようになる傾向からすると、今後は学位論文においても感染症予防や米中関係といったテーマの関心の高まりが予想される。
・「台湾博碩士論文知識加値系統」の検索・ダウンロード状況をみると、「教育」「幼児」「電子商取引」に関するテーマが注目を集めている。

なお、同館のウェブサイトには、4月26日付けで、同日に行われた報告書公表に関するイベントの報告記事が掲載されており、報告書で示された分析結果の概況がまとめられています。

各類調查統計報告(台湾国家図書館)
https://www.ncl.edu.tw/downloadfilelist_307.html
※2021年4月26日付けで「110年臺灣學術資源影響力分析報告:臺灣學術資源利用及研究主題概況」が公開されています。

110年臺灣學術資源影響力分析報告:臺灣學術資源利用及研究主題概況 [PDF:82ページ]
https://nclfile.ncl.edu.tw/files/202104/6a116cec-8df0-41f5-a010-918d9a0ebb97.pdf

國圖辦理「110年臺灣學術資源影響力發布會」表揚大學校院及期刊出版單位(台湾国家図書館, 2021/4/26)
https://www.ncl.edu.tw/information_236_12179.html
※同報告書の公表に関するイベントの報告記事です。

参考:
台湾国家図書館、データベース「期刊文献資訊網」をリニューアル
Posted 2021年3月8日
https://current.ndl.go.jp/node/43480

台湾国家図書館、台湾の修士・博士論文のうちインターネット未公開分を電子閲覧できるシステムを構築:同館内から利用可能
Posted 2021年2月3日
https://current.ndl.go.jp/node/43183

台湾国家図書館、学位論文の著者に同館データベース上での全文公開許諾を呼び掛け:感染拡大防止期間における知識共有促進のため
Posted 2020年4月2日
https://current.ndl.go.jp/node/40683