2021年4月1日、台湾国家図書館は、台湾における2020年の図書出版動向に関する報告書「109年臺灣圖書出版現況及其趨勢分析報告」を公表しました。同館のISBNセンターへの申請及びCIP(Cataloging in Publication)データの集計結果を基に、同館が毎年発表しているものです。
報告書では、2020年の動向として以下のような内容等を紹介するとともに、台湾の出版産業に対し政府が2020年に実施した取組として、公共貸与権制度の試行導入、図書を対象とした「営業税」(日本の消費税に相当)徴収免除に関する法整備(免除は2021年3月から開始)を挙げています。
・2020年にISBNを申請した出版者数は4,694、出版点数は35,041種(電子書籍を含む)であり、2019年と比較して、出版者数は258、出版点数が1,769種減少した。出版点数は3年連続で低下しており、2002年の36,353種を下回る低水準となっている。
・翻訳書は9,549種で、全体の27.25%を占めており、そのうち日本からの翻訳が5,212種(翻訳全体の54.58%)で最も多く、次いで米国、英国、韓国の順となっている。なお、翻訳書のテーマ分類のうち最多となっているのは「マンガ」であり、翻訳書全体の25.73%を占めている。
・電子書籍は2,038種で、出版点数全体の5.82%を占めている。2019年と比較して、出版点数は447種増加し、28.10%の成長となった。フォーマットはEPUBが982種(48.19%)、PDFが929種(45.58%)、その他(主にHTML)が127種(6.23%)である。
109年臺灣圖書出版現況及趨勢報告~臺灣圖書出版界共聚一堂(台湾国家図書館, 2021/4/1)
https://www.ncl.edu.tw/information_236_12108.html
109年臺灣圖書出版現況及其趨勢分析報告 [PDF:45ページ]
https://nclfile.ncl.edu.tw/files/202104/03c7dcac-6c12-4ee9-95fe-77bf2b8f2ce3.pdf
参考:
台湾国家図書館、台湾における2019年の図書出版動向に関する報告書を公表
Posted 2020年3月9日
https://current.ndl.go.jp/node/40441
E2266 – 台湾における公共貸与権の試行導入
カレントアウェアネス-E No.392 2020.06.11
https://current.ndl.go.jp/e2266
図書の「営業税」免除が2021年3月から開始(台湾)
Posted 2021年2月3日
https://current.ndl.go.jp/node/43187