2023年3月31日、台湾国家図書館は、台湾における2022年の図書出版動向に関する報告書「111年臺灣圖書出版現況及趨勢報告」を公表しました。同館のISBNセンターへの申請及びCIP(Cataloging in Publication)データの集計結果を基に、同館が毎年発表しているものです。2022年版からは出版形態の多様化を反映して、紙と電子書籍に区分して動向を伝えるとしています。
本書の概況によると、2022年に図書を出版した出版者数は4,845、出版点数は56,121種であり、前年に比べて2.75%減少しました。また、紙の書籍は36,084種で前年比9.37%減となった一方、電子書籍は前年比12.38%増の19,614種であり、台湾の電子書籍は拡大傾向にあるとしています。
紙の書籍の動向として、ジャンル別の出版点数では「児童書」「試験用参考書」「人文書」の順で多く、出版点数の減少が前年と比べて最も大きかったのは「試験用参考書」次いで「教科書」でした。
翻訳書は10,014種で、全体の27.75%を占めており、そのうち日本からの翻訳が5,250種(翻訳全体の52.43%)で最も多く、次いで米国、英国、韓国の順となっています。なお、翻訳書のテーマ分類のうち最多となっているのは「マンガ」であり、翻訳書全体の26.62%を占めています。
電子書籍の動向として、ジャンル別出版点数では「小説」が4,482 種で全体の22.85%を占めており、「マンガ」「人文書」が続いています。「小説」は出版点数の伸びも最大であり、前年比49.85%増でした。
翻訳書は7,840種で、全体の39.97%を占めており、そのうち日本からの翻訳が5,028種(翻訳全体の64.13%)で最も多くなっています。また、翻訳書のテーマ分類のうち最多となっているのは「マンガ」(翻訳全体の43.76%)であり、多くは日本からの翻訳であるとあります。
各類調查統計報告(台湾国家図書館)
https://www.ncl.edu.tw/downloadfilelist_307_1.html
※2023年3月31日付で「111年臺灣圖書出版現況及趨勢報告」が掲載されています。
110年臺灣圖書出版現況及趨勢報告 [PDF:49ページ]
https://nclfile.ncl.edu.tw/files/202303/e187c6aa-e9be-436c-a22c-d5c6b7bf402e.pdf
参考:
台湾国家図書館、台湾における2019年の図書出版動向に関する報告書を公表
[2020年03月09日]
https://current.ndl.go.jp/car/40441
台湾国家図書館、台湾における2020年の図書出版動向に関する報告書を公表
[2021年04月07日]
https://current.ndl.go.jp/car/43754