台湾国家図書館、台湾における2019年の図書出版動向に関する報告書を公表

2020年3月7日、台湾国家図書館は、台湾における2019年の図書出版動向に関する報告書「108年臺灣圖書出版現況及其趨勢分析報告」を公表しました。同館のISBNセンターへの申請及びCIP(Cataloging in Publication)データの集計結果を基に、同館が毎年発表しているものです。

同館による報告書の概要紹介によると、2019年に図書を出版した出版者数は4,952、出版点数は36,810種であり、出版点数が37,000種を下回ったのは2010年以来とあります。また、電子書籍のISBNを申請した図書は1,591種で、全体の4.32%を占めていますが、2018年の4,340種から大きく減少しています。

翻訳書は9,632種で、全体の26.17%を占めており、そのうち日本からの翻訳が5,191種(翻訳全体の53.89%)で最も多く、次いで米国、英国、韓国の順となっています。なお、翻訳書のテーマ分類のうち最多となっているのは「マンガ」であり、翻訳書全体の25.09%を占めています。

ジャンル別に見ると、出版点数の減少が前年と比べ最も大きかったのは「小説」であり、2018年の4191種から694種減少し、3,497種となっています。一方、増加したジャンルとして「教科書」「試験用参考書」「マンガ」を挙げています。

報告書の概要紹介には、台湾国家図書館の曾淑賢館長によるコメントも掲載されています。そのうち、電子書籍の出版点数減少に関しては以下のような内容が述べられています。

・デジタル読書に向かう潮流は軽視すべきではない。2019年における電子書籍の出版数は減少しているが、公共図書館における貸出統計や文化部による出版産業調査を踏まえると、電子書籍への需要は成長傾向にある。
・新型コロナウイルスの流行で外出を控える人々が増え、各図書館でもオンラインリソースの提供を行い、オンライン書店でも電子書籍を主力商品として扱っている。これは、電子書籍拡大の動きをさらに際立たせるものである。

國圖公布108年臺灣圖書出版現況及趨勢報告(台湾国家図書館, 2020/3/7)
https://www.ncl.edu.tw/information_237_10792.html

108年臺灣圖書出版現況及其趨勢分析(台湾国家図書館)[PDF:35ページ]
https://nclfile.ncl.edu.tw/files/202003/a54efba2-d2eb-4af4-be77-d1afc5bd6878.pdf

参考:
台湾国家図書館、台湾における2018年の図書出版動向に関する報告書を公表
Posted 2019年2月4日
https://current.ndl.go.jp/node/37517