米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2021年版)および「2020年に最も批判を受けた図書」を公表

2021年4月5日、米国図書館協会(ALA)は全米図書館週間にあわせ、米国図書館界の概況をまとめた報告書“State of America’s Libraries Report”の2021年版を公開しました。コロナ禍に関する特別報告となっており、2020年においてあらゆる館種の図書館に与えた影響について特集しています。

図書館の、休館を余儀なくされた中での利用者や学生を支援するための新しい取組(デジタル版図書館カード、非接触でのリクエスト資料受け取りサービス(curbside pick up)、電子書籍貸出の促進)、コロナ禍で顕在化したデジタルデバイド解消のために果たした重要な役割(Wi-Fiの開放)、誤った情報への対応(新型コロナウイルス、アジア系住民への偏見、国勢調査、“Black Lives Matter”運動、大統領選挙)が触れられています。

また、「2020年に最も批判を受けた図書トップ10」(Top Ten Most Challenged Books in 2020)もあわせて公開されています。第1位は2019年版に続きAlex Ginoの小説“George”でした。コロナ禍で多くの館で休館し、オンラインに活動が移行するなかでも図書館の資料を削除しようとする動きは続いているとしています。

ALA releases State of America’s Libraries Special Report: COVID-19(ALA,2021/4/5)
http://www.ala.org/news/press-releases/2021/04/ala-releases-state-america-s-libraries-special-report-covid-19

State of America’s Libraries Report 2021(ALA)
http://www.ala.org/news/state-americas-libraries-report-2021
http://www.ala.org/news/sites/ala.org.news/files/content/State-of-Americas-Libraries-Report-2021.pdf
※二つ目のリンクが報告書本文です[PDF:25ページ]。

参考:
米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2020年版)及び「2019年に最も批判を受けた図書」を公表
Posted 2020年4月30日
https://current.ndl.go.jp/node/40872

米国図書館協会(ALA)、新型コロナウイルス感染拡大防止のため休館中の図書館のWi-Fiの開放を勧告
Posted 2020年3月24日
https://current.ndl.go.jp/node/40572

米・ボストン公共図書館(BPL)、 人種的公平(Racial Equity)に関する活動計画を策定
Posted 2020年11月17日
https://current.ndl.go.jp/node/42548

米・OverDrive社、公共図書館および学校における電子書籍貸出が前年比33%増加したと発表:新型コロナウイルス感染症感染拡大等の影響
Posted 2021年1月14日
https://current.ndl.go.jp/node/42989

E2357 – ウィズ・コロナ時代の北米の大学図書館サービス<報告>
カレントアウェアネス-E No.408 2021.02.18
https://current.ndl.go.jp/e2357