米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2022年版)および「2021年に最も批判を受けた図書」を公表

2022年4月4日、米国図書館協会(ALA)は全米図書館週間にあわせ、米国図書館界の概況をまとめた報告書“State of America’s Libraries Report”の2022年版を公開しました。パンデミック2年目に関する特別報告となっており、あらゆる館種の図書館が、パンデミック2年目の影響に対応すべく、地域社会のニーズに応えようと進歩したとしています。

COVID-19に関連する図書館の対応以外にも、2021年は米国各州の図書館員はかつてないほど多くの禁書の試みに直面したとして、禁書や検閲の動向、公正・多様性・包摂性などに関しても報告されています。

また、「2021年に最も批判を受けた図書トップ10」(Top Ten Most Challenged Books in 2021)もあわせて公開されています。第1位はMaia Kobabeの“Gender Queer”でした。批判・禁書の対象になった本の多くは、黒人、LGBTQIA+によって書かれたもの、あるいは彼らに関連するものであったとしています。

National Library Week kicks off with State of America’s Libraries Report, annual ‘Top 10 Most Challenged Books’ list and a new campaign to fight book bans(ALA,2022/4/4)
https://www.ala.org/news/press-releases/2022/04/national-library-week-kicks-state-america-s-libraries-report-annual-top-10

State of America’s Libraries Report 2022(ALA)
https://www.ala.org/news/state-americas-libraries-report-2022
https://www.ala.org/news/sites/ala.org.news/files/content/state-of-americas-libraries-special-report-pandemic-year-two.pdf
※二つ目のリンクが報告書本文です[PDF:27ページ]。

参考:
米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2021年版)および「2020年に最も批判を受けた図書」を公表
Posted 2021年4月6日
https://current.ndl.go.jp/node/43747

2022年の「全米図書館週間」(National Library Week)は4月3日から9日まで開催:テーマは「あなたの図書館とつながろう」
Posted 2022年4月7日
https://current.ndl.go.jp/node/45949

米国の学校図書館で静かに本が撤去されている(記事紹介)
Posted 2022年4月5日
https://current.ndl.go.jp/node/45936