米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2020年版)及び「2019年に最も批判を受けた図書」を公表

2020年4月20日、米国図書館協会(ALA)は全米図書館週間にあわせ、米国図書館界の概況をまとめた報告書“State of America’s Libraries Report”の2020年版を公開しました。

報告書では、ギャラップ社の調査で米国人は年間平均10.5回図書館に来館し映画館や動物園を上回る回答があったことなどを紹介しながら、2019年中に図書館への人気が大きく向上したことを指摘しています。また、公共図書館で書籍以外にマットレス・人形といった「モノ」の貸出が進んでいること、学術図書館全体として、対面のものと電子のものを合計して700万人以上の学生に利用指導が行われたことなど、館種別の動向等も報告されています。

また、「2019年に最も批判を受けた図書トップ10」(Top Ten Most Challenged Books in 2019)もあわせて公開されました。第1位はAlex Ginoの小説“George”でした。同書が批判を受けた理由として、LGBTQIA+に関するテーマを扱いトランスジェンダーのキャラクターが登場すること、宗教的視点や「伝統的な家族構成」に抵触することなどが挙げられたことが紹介されています。

ALA releases 2020 State of America’s Libraries report(ALA,2020/4/20)
http://www.ala.org/news/press-releases/2020/04/ala-releases-2020-state-america-s-libraries-report

State of America’s Libraries Report 2020(ALA)
http://www.ala.org/news/state-americas-libraries-report-2020

参考:
米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書 (2019年版)を公表
Posted 2019年4月10日
https://current.ndl.go.jp/node/37991

2020年の「全米図書館週間」(National Library Week)、「あなたの場所で図書館を見つけよう」に変更して開催中
Posted 2020年4月24日
https://current.ndl.go.jp/node/40845

米国人は映画館よりも図書館を多く訪問:2019年の世論調査から(米国)
Posted 2020年1月27日
https://current.ndl.go.jp/node/40065

米国の図書館におけるモノの貸出:インスタントポットから動物の頭蓋骨まで(記事紹介)
Posted 2019年6月6日
https://current.ndl.go.jp/node/38294