2021年3月23日、米・Ithaka S+Rは、大学における一次資料を用いた教育に関する報告書“Teaching with Primary Sources:Looking at the Support Needs of Instructors”を公開しました。
同報告書は、Ithaka S+Rによるプロジェクト“Supporting Teaching with Primary Sources”の成果です。同プロジェクトでは、一次資料を用いた教育において効果的に教員・学生を支援する方法の特定に焦点を当てており、米国・英国における大学図書館26館の研究チームが参加しました。さらに、同プロジェクトのスポンサーであるProQuest社は、別の大学16校の教員を対象にした追加インタビューも実施しました。
同プロジェクトを通じ、合計335名の教員に、一次資料を活用した授業や課題をどうデザインしているのか、教員・学生が授業での使用に適した一次資料をどのように発見・利用しているのか等についての質問が行われました。報告書ではこれらの調査結果を報告するとともに、大学図書館員等の関係者に向けて、一次資料を用いた教育をどう支援すべきかについての推奨事項が示されています。
Ithaka S+Rによる2021年3月23日付けのブログ記事“Teaching with Primary Sources: Pre-Pandemic Lessons for Post-COVID Futures”でも本報告書の紹介が行われています。記事の冒頭では、本調査の実施が新型コロナウイルス感染症の流行前であることを述べています。その上で、本調査で判明した教員による既存の教育実践を深く理解することによって、パンデミックに対応して教育がどう進化したのか、あるいはどう進化すべきなのかを評価する基礎が得られるという考えが示されています。
Teaching with Primary Sources:Looking at the Support Needs of Instructors(Ithaka S+R, 2021/3/23)
https://doi.org/10.18665/sr.314912
Teaching with Primary Sources: Pre-Pandemic Lessons for Post-COVID Futures(Ithaka S+R, 2021/3/23)
https://sr.ithaka.org/blog/teaching-with-primary-sources-pre-pandemic-lessons-for-post-covid-futures/
参考:
米・Ithaka S+R、一次資料を用いた教育の大学図書館等による効果的な支援方法の把握を目的とした調査プロジェクトの開始を発表
Posted 2019年1月17日
https://current.ndl.go.jp/node/37391
CA1943 – 動向レビュー:デジタルアーカイブコンテンツの児童・生徒向け教育への活用をめぐって:米国・欧州の動向を中心に / 古賀 崇
カレントアウェアネス No.338 2018年12月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1943
米国大学・研究図書館協会(ACRL)、一次資料(Primary Source)利用のためのガイドラインを承認
Posted 2018年3月16日
http://current.ndl.go.jp/node/35657