韓国国立中央図書館(NLK)、公共図書館の貸出データをもとに分析した2020年の貸出状況の調査結果を発表:コロナ禍により貸出数が大幅に減少

2020年12月30日、韓国国立図書館(NLK)が、2020年の公共図書館における貸出状況の調査結果を発表しました。

公共図書館用のビックデータ分析プラットフォーム“도서관 정보나루”に搭載された公共図書館1,180館分の2020年1月1日から11月30日までの貸出データ5,823万8,593件をもとに分析されたものです。

文学分野では最も貸し出されたのは、ソン・ウォンピョン『アーモンド』でした。世代別では40代の女性が最も借りており、30代・20代の女性、40代の男性と続きます。

非文学分野で最も貸し出されたのは、キム・ジヘ『선량한 차별주의자(善良な差別主義者)』でした。女性による貸し出しが多く、世代別では40代・20代・30代・50代・青少年と続きます。

またコロナ禍の影響で、貸出数は2019年に比べて45.9%減少しており、最も減少したのは前年比89.0%の3月でした。性別で最も減少したのは前年比46.6%の男性で、年齢別では前年比52.8%の30代でした。テーマ別では、前年比53.7%の芸術分野が最も多く減少しています。

また、新型コロナウイルス感染症の感染状況により貸出数が増減を繰り返したとし、韓国において感染者が初めて確認された2020年1月23日の週は前の週と比べて約40%減少しています。また、大邱地域で集団感染が発生した2月16日の翌週は前週と比べて約87.1%減少しています。以後、貸出数はやや回復傾向であったものの5月の梨泰院での集団感染、8月の首都圏を中心とした感染再拡大により貸出は再度停滞しました。このことから、新型コロナウイルスの集団感染の発生が貸出数に影響を与えるものの、比較的回復力・弾力性が高いとしています。

その他、1週間に感染者1人が確認されると約223.7冊の貸出数が減少しているとし、これは、感染者が100人増加するごとに14.9館休館することと同じであると指摘されています。

2020년 올해의 책! 손원평의 『아몬드』(2020年今年の本!ソン・ウォンピョン『アーモンド』)(NLK,2020/12/30)
https://www.nl.go.kr/NL/contents/N50603000000.do?schM=view&id=37881&schBcid=normal0302

関連:
アーモンド = Almond
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029758832-00

선량한 차별주의자(善良な差別主義者)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I012090804-00

参考:
韓国国立中央図書館(NLK)、公共図書館948館の貸出データをもとに分析した2019年の貸出状況に関する調査結果を発表
Posted 2019年12月24日
https://current.ndl.go.jp/node/39822

韓国・文化体育観光部、利用者自身が貸出・返却処理を行なう「スマート図書館」の設置を支援すると発表:新型コロナウイルス感染症拡大防止のための休館期間中の貸出サービス継続のため
Posted 2021年1月4日
https://current.ndl.go.jp/node/42893