2020年10月27日、台湾国家図書館は、児童書を全面的にCIP(Cataloging In Publication)プログラムの対象とすることを発表しました。
CIPプログラムでは、出版者は図書出版に先立ち校正刷等を国立図書館やその他全国書誌作成機関に提出し、それら機関において書誌情報が作成されます。その後、作成された書誌情報を出版者が当該図書の奥付等に印刷し、出版が行われます。
発表によれば、児童書のCIP申請に当たり、これまではページ数が50ページに満たないために同館のCIPプログラムの対象外となるケースが多く見られました。同館の曽淑賢館長は「国家図書館にとっては大きな業務負担増となるが、出版界・図書館の双方にメリットがある目録サービスである」とし述べています。出版者側のメリットとして、同館のウェブサイトや出版物を通じた情報流通による可視性向上を、図書館側のメリットとして、(CIPデータの利用による)各館での書誌作成業務の負担軽減、各館での分類一致による利用者の利便性向上を挙げています。
CIPプログラムにより作成された書誌情報は同館のデータベース「全国新書資訊網」に登録され、検索・ダウンロードが可能となっています。
出版社福音,國圖推出兒童新書預行編目服務(台湾国家図書館, 2020/10/27)
https://www.ncl.edu.tw/information_237_11530.html
関連:
出版品預行編目準則(全国新書資訊網)
http://isbn.ncl.edu.tw/NEW_ISBNNet/main_ProcessMenuItems.php?Ptarget=266&Pact=ViewContent&Pval=266&Pfld=Ffile
※台湾国家図書館によるCIPプログラムの対象範囲が記載されています。台湾のISBN取得図書が対象となりますが、「50ページ未満の図書(児童書を除く)」など一部の資料はプログラムの対象外となっています。
参考:
CA1759 – 台湾国家図書館の電子出版物プラットフォームによる電子書籍の収集と提供サービス / 安藤一博
カレントアウェアネス No.310 2011年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1759
CA1557 – IFLAのCIPプログラム調査 / 柴田洋子
カレントアウェアネス No.284 2005.06.20
https://current.ndl.go.jp/ca1557
米国議会図書館、2012年7月よりCIPプログラムの対象を電子書籍にも拡大
Posted 2012年6月21日
https://current.ndl.go.jp/node/21164