北米の研究図書館センター(CRL)のSlavic and East European Materials Project、20世紀前半の米国でウクライナ系カトリック教徒が発行した新聞“Ameryka”をデジタル化し公開

2020年7月22日、北米の研究図書館センター(CRL)は、Slavic and East European Materials Project(SEEMP)がウクライナ系カトリック教徒の発行した新聞“Ameryka”のデジタル化を実施したことを発表しました。

SEEMPは、スラブ・東欧地域の研究に関連する資料のマイクロフィルム化・デジタル化による収集・保存・維持を通して会員向けに提供するCRLのプロジェクトです。今回SEEMPがデジタル化した“Ameryka”は、ウクライナから米国に渡った移民を支援するために共済保険協会として設立された、「米国におけるウクライナ系カトリック教徒のプロビデンス協会(Providence Association of Ukrainian Catholics in America)」が1912年に創刊した新聞です。1918年から週3回刊、後には日刊となり、1950年代から1970年代には約1万2,000人に購読され読者数がピークに達しましたが、1998年に終刊しました。

SEEMPのデジタル化事業によって、1919年、1922年、及び1925年から1929年までに発行された“Ameryca”がオンライン上で自由に利用可能となっています。オンライン上で利用可能な“Ameryca”のコンテンツの大半はウクライナ語ですが、広告等の一部には英語も含まれています。

SEEMP Digitizes Ukrainian-American Catholic Newspaper ‘Ameryka’(CRL,2020/7/22)
https://www.crl.edu/news/seemp-digitizes-ukrainian-american-catholic-newspaper-ameryka

SEEMP(CRL)
https://www.crl.edu/programs/seemp

参考:
研究図書館センター(CRL)のLatin American Materials Project(LAMP)、ブラジルの新聞“ Diario de Pernambuco”をデジタル化して公開
Posted 2015年8月31日
https://current.ndl.go.jp/node/29315

北米の研究図書館センター(CRL)、East View Information Services社との協力事業の成果として19世紀後半から20世紀半ばにかけて中東・北アフリカ地域で刊行された新聞のデジタルコレクションを公開
Posted 2020年1月23日
https://current.ndl.go.jp/node/40034

北米の研究図書館センター(CRL)、サハラ以南のアフリカの新聞をDigital Delivery System (DDS)を通じてオープンアクセス(OA)で公開
Posted 2020年2月28日
https://current.ndl.go.jp/node/40364

北米の研究図書館センター(CRL)のLatin American Materials Project(LAMP)、19世紀頃に刊行されたペルーの新聞2紙をデジタル化
Posted 2020年7月2日
https://current.ndl.go.jp/node/41400

CA951 – スラブ・東欧関係資料の滞貨をどう減らすか / 兎内勇津流
カレントアウェアネス No.179 1994.07.20
https://current.ndl.go.jp/ca951