国際図書館連盟(IFLA)、国際連合(UN)のアンケート“Human Rights and COVID-19”への回答内容を公開

2020年6月22日、国際図書館連盟(IFLA)が、新型コロナウイルス感染症の人権への影響に関して国際連合(UN)が実施しているアンケート“Human Rights and COVID-19”への回答内容を公開したことを発表しました。

発表の中では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が直接的に影響をもたらした権利として、教育、情報への自由なアクセス、コミュニティの文化的生活への自由な参画、科学的成果の共有、行政への参加に関する権利が挙げられています。

回答の概要は、以下の通りです。

・万人のためのインターネットとメディアリテラシー(Internet-for-all and media literacy)
教育的・文化的イベントの開催等がインターネット環境を前提としたものとなり、インターネットへのアクセスおよびメディアリテラシー教育がこれまで以上に重要になっている。図書館はインターネットのアクセスやメディアリテラシーを提供するうえで重要な役割を担っている。

・情報へのアクセス(Access to Information)
新型コロナウイルス感染症拡大下では、デジタルサービスへの需要が高まり、図書館でも新型コロナウイルス感染症に関連する資料のオープンアクセス(OA)化を求める活動が行われ、IFLAでもOAの必要性を強調する原則を発表している。

・文化的権利(Cultural Rights)
図書館は、美術館・博物館・文書館と同様に、コレクション等に遠隔でアクセスするための手法を提供している。IFLAでも文化遺産の役割について述べた記事等を投稿している。

IFLA Responds to UN Questionnaire on Human Rights and COVID-19(IFLA, 2020/6/22)
https://www.ifla.org/node/93159

Protecting human rights during and after COVID-19 Joint questionnaire by Special Procedure mandate holders(IFLA, 2020/6/19)[PDF:10ページ]
https://www.ifla.org/files/assets/pac/Documents/jointquestionnairecovid19_ifla.pdf

参考:
国際図書館連盟(IFLA)、「フェイクニュースの見極め方」(COVID-19版)の日本語訳を公開
Posted 2020年5月19日
https://current.ndl.go.jp/node/40974

国際図書館連盟(IFLA)、新型コロナウイルス感染拡大により資料へのアクセスが制限されている状況下で電子的に配信可能な資料の申込ができる“Resource Sharing during COVID-19 (RSCVD)”を開始:ボランティアの図書館による事業
Posted 2020年5月15日
https://current.ndl.go.jp/node/40953

国際図書館連盟(IFLA)、各国の図書館協会等による図書館を安全に再開館するための計画を収集中:調査結果は“COVID-19 and the Global Library Field”のページで公開
Posted 2020年5月7日
https://current.ndl.go.jp/node/40898

国際図書館連盟(IFLA)、新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、連携機関と共同で作成した知的財産権に関する世界知的所有権機関(WIPO)宛公開書簡を発表
Posted 2020年4月8日
https://current.ndl.go.jp/node/40730

国際図書館連盟(IFLA)、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をうけ、会長・事務局長連名で声明を発表:情報共有ページ“COVID-19 and the Global Library Field”も開設
Posted 2020年3月25日
https://current.ndl.go.jp/node/40589