2019年12月6日、英国勅許公共財務会計協会(CIPFA)は、英国の公共図書館に関する年次統計(2018/2019)を発表しました。
過去の統計と比較して、主に次のような結果が指摘されています。
・緊縮財政が始まった2009/2010年度と比べ図書館経費が29.6%減少
・2014/2015年度以降、有給スタッフの人数は15.1%減少した一方、ボランティアの人数は24.3%増加
・オンラインリソースへの移行を受けて、この10年間でCD・DVD等の視聴覚資料への支出は60%以上減少
・2017/2018年度以降、図書館経費が0.4%増加した一方、のべ来館者数は約700万人減少
今回の統計公表について報じる英・The Guardian紙の記事では、2010年以降773のサービスポイントが閉鎖されたこと、サービスポイントの閉鎖、有給スタッフの減少と連動して、のべ来館者数も2009/2010年度の約3億1,500万人から2018/2019年度の約2億2,600万人まで減少していること等を取り上げています。
Decade of austerity sees 30% drop in library spending(CIPFA, 2019/12/6)
https://www.cipfa.org/about-cipfa/press-office/latest-press-releases/decade-of-austerity-sees-30-drop-in-library-spending
Britain has closed almost 800 libraries since 2010, figures show(The Guardian, 2019/12/6)
https://www.theguardian.com/books/2019/dec/06/britain-has-closed-almost-800-libraries-since-2010-figures-show
参考:
英国公認会計士協会(CIPFA)、公共図書館に関する年次統計(2017/2018)を発表
Posted 2018年12月13日
https://current.ndl.go.jp/node/37217
英国公認会計士協会(CIPFA)、公共図書館に関する年次統計(2016/2017)を発表
Posted 2018年1月17日
http://current.ndl.go.jp/node/35325
図書館数・図書館費・図書館利用者ともに前年比減少:英国公認会計士協会による公共図書館統計(2014/2015)(英国)
Posted 2015年12月11日
http://current.ndl.go.jp/node/30191
英国の公共図書館の現状(英国放送協会による調査)
Posted 2016年3月30日
http://current.ndl.go.jp/node/31172
E1821 – 成人の図書館利用の実態(英国)
カレントアウェアネス-E No.307 2016.07.14
http://current.ndl.go.jp/e1821