2018年3月23日、米国で2018年度の歳出法案が成立しました。歳出額は1.3兆円で、博物館・図書館サービス機構(IMLS)をはじめ、図書館や研究関連の予算が2017年度より増額されました。
IMLSについてはトランプ政権により、段階的廃止に向けた予算教書が発表され、図書館関係機関等の反発を招いていましたが、今回成立した歳出法案では2017年度に比べて900万ドル増額した、2億4千万ドルが計上されたとのことです。州への助成金など複数の事業について予算が増額され、そのほかの事業についても2017年度と同水準を維持しています。ALAのJim Neal会長もこの歳出法案を歓迎するコメントを発表するとともに、本件の教訓として、図書館が声をあげれば、意思決定者は耳を貸すのだとして、2017年度来の米国の図書館関係者の働きかけが実を結んだこと、アドヴォカシーの重要性を述べています。
また、NIH、NSFなどの他の研究関連予算についても2017年度より増額しており、研究関連予算額の増加幅としては過去10年で最大であると報じられています。
IMLS RECEIVES FUNDING INCREASE FOR REMAINDER OF FY 2018(IMLS、2018/3/23付け)
https://www.imls.gov/news-events/news-releases/imls-receives-funding-increase-remainder-fy-2018
Big federal funding increases for libraries(District DISPATCH:Library policy news from the American Library Association’s Washington Office、2018/3/23付け)
http://www.districtdispatch.org/2018/03/big-federal-funding-increases-for-libraries/
Trump, Congress approve largest U.S. research spending increase in a decade(Science、2018/3/23付け)
http://www.sciencemag.org/news/2018/03/updated-us-spending-deal-contains-largest-research-spending-increase-decade?rss=1
参考:
米・トランプ政権、2018年度の予算教書を提出:IMLS、NEA、NEH、CPBの廃止にむけた予算を計上
Posted 2017年5月24日
http://current.ndl.go.jp/node/34033
米・連邦議会の下院、博物館・図書館サービス機構や図書館サービス及び技術法関連予算を含む予算案を可決
Posted 2017年9月22日
http://current.ndl.go.jp/node/34709
米・トランプ政権、2019年度の予算教書を提出:IMLS、NEA、NEHの段階的な廃止にむけた予算を計上
Posted 2018年2月16日
http://current.ndl.go.jp/node/35499
米国の情報科学技術協会(ASIS&T)、トランプ政権によるIMLSの段階的な廃止に反対する声明を発表
Posted 2018年2月20日
http://current.ndl.go.jp/node/35521