2020年12月4日、英国勅許公共財務会計協会(CIPFA)は、英国の公共図書館に関する年次統計(2019/2020)を発表しました。データ収集期間は2020年3月までであり、ロックダウン期間中のデータは収集されなかった旨が注記されています。
過去の統計と比較して、主に次のような結果が指摘されています。
・2018/2019年度と比べて図書館経費が2,000万ポンド近く(2.6%)減少した。
・2018/2019年度と比べて有給スタッフの人数は2.4%減少した。ボランティアの人数も2.6%減少したが、ボランティアによる労働時間の総計は1.4%増加している。
・2018/2019年度と比べて図書館への直接来館者数は5%減少した。ウェブサイトへの訪問回数は増加を続けており、2015/16年度と比べて25.8%増加している。
・電子書籍を含むデジタル資料への支出が7%増加している。
CIPFAのCEOであるRob Whiteman氏のコメントも掲載されており、英国の図書館におけるボランティアへの依存傾向や、図書館経費の急減からも見て取れる地方自治体の厳しい財政状況について指摘しています。
Spend on British libraries drops by nearly £20m(CIPFA, 2020/12/4)
https://www.cipfa.org/about-cipfa/press-office/latest-press-releases/spend-on-british-libraries-drops-by-nearly-20m
UK’s public libraries record another year of cuts, with yet more on the way(The Guardian, 2020/12/4)
https://www.theguardian.com/books/2020/dec/04/uks-public-libraries-record-another-year-of-cuts-with-yet-more-on-the-way
※今回の統計発表について報じる英・The Guardianの記事です。
参考:
英国勅許公共財務会計協会(CIPFA)、英国の公共図書館に関する年次統計(2018/2019)を発表
Posted 2019年12月9日
https://current.ndl.go.jp/node/39694
英・Libraries Connected、ロックダウン期間における図書館に関するレポートを公開:コミュニティ支援等に焦点
Posted 2020年10月22日
https://current.ndl.go.jp/node/42333