2018年4月11日付けの米・ミシガン大学図書館のブログで、同館が2017年11月に同大学の工学系の大学院生を対象に実施した情報リテラシーの必要性に関する調査の結果概要が紹介されています。
工学系の大学院生の研究を支援するためのより良い方法を把握することが目的で、文献調査・データベース利用・文献管理・データ管理・研究資金の調達・出版や著作権に関する知識・能力をアンケートにより調査したもので、文献調査を効果的に行なっていると答えたのは25%に過ぎず、文献調査に関して学ぶことに興味があるかについての質問に85%が「はい」「たぶんそう」と回答したこと等の結果が紹介されています。
また、同館では、2017年12月に、フォーカスグループインタビューによる調査も行なっており、大学院生が、同館で正式に講習会を実施していない専門分野のデータベースの検索方法を学びたいと考えていること、同館で前期に実施する情報リテラシーに関する講習会は後期に実施したほうが効果的と感じていること、現在は研究資金の調達は不要であるが今後研究者としてキャリアを積むために資金調達の方法を学びたいと考えていることなどがわかったとしています。
同館では、工学部の管理職とこれら調査結果の情報共有を行なうとともに、2018年6月に開催される米国工学教育協会の年次大会でも調査結果の報告を行なう予定です。
Engineering Graduate Student Information Literacy Study(University of Michigan Library,2018/4/11)
https://www.lib.umich.edu/blogs/tiny-studies/engineering-graduate-student-information-literacy-study
PSCF Presentation: Information Literacy Needs of Engineering Grad Students
https://docs.google.com/presentation/d/1SV9D0xctV19Eo52p2gizPeGeC1NZb5-fl2hjDVEpgis/edit#slide=id.g2b62e5a6ba_0_301
参考:
CA1870 – 動向レビュー:ACRL高等教育のための情報リテラシーの「枠組み」 ―白熱する議論に向けて― / 小田光宏
カレントアウェアネス No.327 2016年3月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1870