Pew Research Center、米国民がデジタル技術やオンラインの学びなどに関してどのくらい対応できているかなどを調査した報告書を公開

2016年9月20日、米国の調査機関であるPew Research Centerは、米国民のデジタルレディネス(digital readiness)に関する、米国の18歳以上の成人2,752名を対象とし、2015年10月13日から11月15日まで行われた調査の報告書を公開しました。

コンピューターの利用に関する自信、仕事に使う技術を習得する能力、学びにおけるデジタルツールの利用、オンラインの情報の信頼性を判断する能力、近年の教育テクノロジーに関する用語の認知度などを調査したものです。

調査項目から分析を行い、回答者は比較的対応が遅れているグループ(回答者全体の52%)と、比較的対応が出来ているグループ(回答者全体の48%)という2つのグループに分類され、それぞれ以下のように細分化されており、また、どのような属性の人々に多い特徴であるかなどが示されています。

◯比較的対応が遅れているグループ
対応していない人々(回答者全体の14%):デジタルスキルのレベルが低く、オンラインの情報の信頼性を判断する能力が限られている人々(女性、人種・民族におけるマイノリティ、家庭の収入が低い、学歴が低い人々、に多い)

伝統的な学習者(5%):積極的な学習者ではあるものの、関心のある事柄を調べる際に、オンラインの情報の信頼性を懸念し、デジタルツールは用いず、伝統的な手段を用いる人々(女性、人種・民族におけるマイノリティ、50歳以上の人々、家庭の収入が低い人々、に多い)

熱心ではない人々(33%):「対応していない人々」よりもデジタルスキルは高いものの、教育テクノロジーに関する意識が極めて低く、個人の学びも比較的行わない人々(男性、大学卒業程度、30・40代の人々、に多い)

◯比較的対応が出来ているグループ
慎重派(31%):デジタル技術を用いることができ、オンラインスキルや信頼できる情報をオンラインで探す能力もあるものの、オンラインでの学習 びについて認知しておらず、学びに関するオンラインのツールの利用も比較的行わない(家庭の収入が多い人々、高学歴の人々、30・40代の人々、に多い)

デジタルレディ(17%):熱心な学習者であり、信頼できるオンラインの情報を探す能力やデジタルスキルに自信があり、オンラインによる学びについても熟知している(家庭の収入が多い人々、高学歴の人々、30・40代の人々、に多い)

Digital Readiness Gaps
http://www.pewinternet.org/files/2016/09/PI_2016.09.20_Digital-Readiness-Gaps_FINAL.pdf

Digital Readiness Gaps(Pew Research Center, 2016/9/20)
http://www.pewinternet.org/2016/09/20/digital-readiness-gaps/

参考:
E1805 – 米国民の学びと公共図書館に関する報告書
カレントアウェアネス-E No.304 2016.06.02
http://current.ndl.go.jp/e1805