Elsevier社がThe Wikipedia Libraryへの一層の協力を発表

2015年9月10日、Elsevier社はThe Wikipedia Libraryプロジェクトへの協力を拡大する予定であることを発表しました。

The Wikipedia Libraryは、Wikipedia編集者を支援するため、編集者が有料のデータベース等に自由にアクセスできるよう、アカウントの寄付を求める活動です。Elsevier社は2015年初めから、同社の電子ジャーナルプラットフォームScienceDirectのアカウントを45人分寄付していました。Wikipedia編集者に好意的に受け入れられ、アカウント申し込みも多数寄せられたことから、Elsevier社は近々、提供するアカウント数を増やす予定であるとのことです。

一方で、The Wikipedia Libraryの活動に対しては、購読者以外は読めない有料のデータベースへのリンクがWikipediaの記事中に増えることを招くのでは、という懸念も一部から上がっています。

Elsevier access donations help Wikipedia editors improve science articles(Elsevier、2015/9/10付け)
http://www.elsevier.com/connect/elsevier-access-donations-help-wikipedia-editors-improve-science-articles

“WikiGate” raises questions about Wikipedia’s commitment to open access(ars technica、2015/9/14付け)
http://arstechnica.com/science/2015/09/wikigate-raises-questions-about-wikipedias-commitment-to-open-access/

参考:
E1528 – 図書館とウィキペディアのこれからの関係は? カレントアウェアネス-E No.253 2014.02.06
http://current.ndl.go.jp/e1528

The Wikipedia Library、Wikipedia編集者が自由にアクセスできるデータベースの範囲を拡大 Posted 2014年6月24日
http://current.ndl.go.jp/node/26428

The Wikipedia Libraryの枠組みを利用した取り組みが順調:British Newspaper Archiveもアカウントを提供
Posted 2014年7月23日
http://current.ndl.go.jp/node/26628

De GruyterもWikipedia編集者にアクセス権を提供:The Wikipedia Library
Posted 2014年10月2日
http://current.ndl.go.jp/node/27140