ビッグディール契約の中止と学術出版:教員・大学院生へのインタビューから見えてきたこと(文献紹介)

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)刊行のオープンアクセス(OA)誌“College & Research Libraries”(C&RL)の87巻4号に、記事“Big Deal Cancellations and Scholarly Publishing: Insights from Faculty and Graduate Student Interviews”が掲載されています。著者は、カナダ・ダルハウジー大学のMadelaine Hare氏等です。

購読料の高騰と蔵書予算の縮小に直面する大学図書館員にとって、ビッグディール契約の中止はますます重要な課題となっているとあります。これまでの研究では、ビッグディール契約の中止に関する図書館員の意思決定プロセスやコミュニケーション戦略に焦点が当てられてきたとし、記事では、視点を変えて教員と大学院生の視点や経験を明らかにすることを目的に実施された調査の結果について紹介されています。

2020年から2022年にかけて、学術ジャーナルの利用状況、図書館との関わり、学術出版に関する知識、ビッグディール契約の中止等に対する認識や経験などについて、カナダの中規模大学3校の13人(教員6人と博士課程学生7人)に対しインタビュー調査が実施されました。記事では、その結果がまとめられています。また、図書館がビッグディールから脱却し、絶えず変化する学術出版の状況に対応していくに当たり、教員や学生と協働していくことの可能性についても言及されています。

Hare, Madelaine et al. Big Deal Cancellations and Scholarly Publishing: Insights from Faculty and Graduate Student Interviews. College & Research Libraries. 2026, 87(4).
https://doi.org/10.5860/crl.87.4.459

参考:
Elsevier社との全ジャーナル契約終了のその後:マサチューセッツ工科大学(MIT)図書館の事例(記事紹介) [2024年08月26日]
https://current.ndl.go.jp/car/224659

ビッグディール契約の経済的非効率性:カナダの大学における学術誌の利用パターン分析(文献紹介) [2021年03月22日]
https://current.ndl.go.jp/car/43610

ビッグディール契約中止の経緯と対応、中止の影響:フロリダ州立大学の場合(記事紹介)[2020年02月26日]
https://current.ndl.go.jp/car/40325

E2420 – ビッグディール契約キャンセルの影響調査(米国)
カレントアウェアネス-E No.419 2021.09.02
https://current.ndl.go.jp/e2420