2014年2月24日付けのNature誌の記事で、SpringerとIEEEの商用プラットフォームに収録されている会議録論文の中に、機械生成されたでたらめな論文120本以上が含まれていたことが報じられています。現在はこれらの論文は削除されているとのことです。
これらの論文はコンピュータサイエンス分野の、文法等は正しいものの中身はでたらめな論文を作成するソフト、SCIgenによって作成されたものでした。SCIgenにより作られた論文を発見する技術を開発したフランスの研究者、Cyril Labbé氏の指摘により、今回の問題は発覚したとのことです。
Labbé氏はNatureの取材に答え、なぜSCIgenで作成された論文が投稿されたのかはわからないとしています。SCIgenによる論文が掲載されていたものの多くは中国で開催された会議の会議録で、著者の所属も中国の機関であるものが多かったとのことです。
なお、Labbé氏はある論文がSCIgenで作成されたものかどうかをチェックできるツールも公開しています。
Publishers withdraw more than 120 gibberish papers(Nature News、2014/2/24付け)
http://www.nature.com/news/publishers-withdraw-more-than-120-gibberish-papers-1.14763
SCIgen detection website
http://scigendetection.imag.fr/main.php
参考:
「査読なんか怖くない?」 Science誌にオープンアクセス雑誌の査読に関する実験報告
Posted 2013年10月8日
http://current.ndl.go.jp/node/24548
わざと投稿された無意味な論文を受理してしまったOA誌の編集長辞任
Posted 2009年6月16日
http://current.ndl.go.jp/node/13264