スペインの大学・科学図書館ネットワーク(REBIUN)、オープンアクセスリポジトリの擁護に関する声明を発表

2024年2月15日付けで、スペインの大学・科学図書館ネットワーク(REBIUN)が、オープンアクセス(OA)リポジトリの擁護に関する声明を発表しました。

声明は、論文をエンバーゴなしでグリーンOAとして公開できる米国化学会(ACS)の新しいオプションである“Article Development Charge”(ADC)の導入や、スペイン国内におけるリポジトリに関する認識不足を受けて発表されました。

スペインにおいては、OAリポジトリは科学者コミュニティの研究成果のOA化を促進するために非常に重要であるものの、リポジトリが適切に活用されていくためには現実的な障害があるとし、新たな措置として以下の3点の実施を提唱しています。

・転換契約の際の権利保持条項の盛り込み
・転換契約や購読契約の参加機関に向けた付加価値のある新たなサービスの展開
・オープンサイエンス推進のためのスペイン国内における新たな法の整備

En defensa de los repositorios de acceso abierto(REBIUN, 2024/2/15)
https://www.rebiun.org/noticias/2024/en-defensa-de-los-repositorios-de-acceso-abierto

En defensa de los repositorios de acceso abierto(REBIUN)
https://hdl.handle.net/20.500.11967/1347

参考:
スペインの大学・科学図書館ネットワーク(REBIUN)、2024年から2027年までの戦略計画を公開 [2024年03月01日]
https://current.ndl.go.jp/car/210637

米国化学会(ACS)による“Article Development Charge”導入とその問題点:権利保持戦略の観点から(記事紹介) [2023年12月04日]
https://current.ndl.go.jp/car/201491

米国化学会(ACS)、エンバーゴなしで論文をグリーンオープンアクセス(OA)で公開するための新オプションを導入 [2023年10月13日]
https://current.ndl.go.jp/car/193997

E2654 – 米国化学会によるエンバーゴなしのグリーンOAをめぐる動向
カレントアウェアネス-E No.470 2023.12.14
https://current.ndl.go.jp/e2654

CA2055 – 動向レビュー:即時オープンアクセスを巡る動向:グリーンOAを通じた即時OAと権利保持戦略を中心に / 船守美穂
カレントアウェアネス No.358 2023年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2055