米・バイデン政権、 組織等に薬物の過剰摂取から命を救うための行動を喚起する“White House Challenge to Save Lives from Overdose”を開始:図書館界等による取組も紹介

2024年3月13日、米・ホワイトハウスは、バイデン政権が“White House Challenge to Save Lives from Overdose”を開始したと発表しました。

薬物過剰摂取の危機を打開するためのバイデン大統領の統一アジェンダ(Unity Agenda)の一環で、組織等に薬物の過剰摂取から命を救うための行動を喚起するものです。あらゆる分野の関係者に対し、オピオイド拮抗薬に関して入手機会や研修を増やすことで命を救う行動を取るよう呼び掛けています。

米国では、モルヒネなどのオピオイド系鎮痛薬の過剰摂取による死亡が問題となっており、“White House Challenge to Save Lives from Overdose”では規模や運営主体を問わず、全国の組織や企業に協力が呼びかけられています。

発表の中では、既に対応を強化している分野や組織等の取組が紹介されています。「学校及びその他の学習の場」として、米国図書館協会(ALA)と米国公共図書館協会(PLA)が公共図書館に対し薬物過剰摂取の危機に対処するためのリソースを提供していることや、図書館職員の研修、一般市民へのナロキソン(オピオイド拮抗薬)と過剰摂取防止キットの配布、公共教育プログラムの開催等の取組を行っていることが挙げられています。

FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Launches the White House Challenge to Save Lives from Overdose(The White House, 2024/3/13)
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2024/03/13/fact-sheet-biden-harris-administration-launches-the-white-house-challenge-to-save-lives-from-overdose/

White House Challenge: SAVING LIVES FROM OVERDOSE(The White House)
https://www.whitehouse.gov/savelivesfromoverdose/

参考:
米・サンディエゴ市中央図書館における警備員増員とナロキソンの追加導入:館内における薬物の過剰摂取や自殺未遂への対応(記事紹介) [2022年12月28日]
https://current.ndl.go.jp/car/169249

米・シアトル公共図書館、職員がオピオイド拮抗薬を投与することを許可 [2022年10月03日]
https://current.ndl.go.jp/car/46926

E2270 – 米国のオピオイド危機と公共図書館の対応に関する研究報告書
カレントアウェアネス-E No.393 2020.06.25
https://current.ndl.go.jp/e2270