米国大統領府科学技術政策局(OSTP)、連邦政府全体でのオープンサイエンスの推進を発表:2023年を「オープンサイエンスの年」と位置付け

2023年1月11日、米国大統領府科学技術政策局(OSTP)が、オープンで公平な研究を推進するための連邦政府全体でのアクションを発表しました。また、2023年を、連邦政府全体でオープンサイエンス方針を推進する「オープンサイエンスの年」とすると述べています。

発表されたアクションは、助成金の新設、研究インフラの改善、早期キャリアの研究者の研究参加の拡大、一般市民の関与機会の拡大に関するものです。

例えば、OSTPと国家科学技術委員会(NSTC)が、米国におけるオープンサイエンスの公式定義を「多様な文化を尊重し、セキュリティとプライバシーを維持し、コラボレーションや再現性、公平性を促進しつつ、研究成果およびプロセスをすべての人が利用できるようにする原則と実践」と発表したとあります。また、OSTPの覚書に従って、連邦機関がパブリックアクセス計画の更新を行うとあります。そのほか、研究開発に関する関係機関の合同グループCENDIによるオープンサイエンス関連のオンラインリソースの立ち上げ、米国国立衛生研究所(NIH)のデータ管理と共有に関する最終方針の発効、エネルギー省科学技術情報局のDOE scientific libraryのオープンサイエンス機能の向上、全米人文科学基金(NEH)や米国科学財団(NSF)地球科学局(GEO)による新しい助成機会の発表等が説明されています。

FACT SHEET: Biden-Harris Administration Announces New Actions to Advance Open and Equitable Research(The White House, 2023/1/11)
https://www.whitehouse.gov/ostp/news-updates/2023/01/11/fact-sheet-biden-harris-administration-announces-new-actions-to-advance-open-and-equitable-research/

参考:
米国大統領府科学技術政策局(OSTP)、連邦政府から助成を受けた研究成果の即時オープンアクセス(OA)化を求める政策指針についてFAQを公開 [2022年12月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/169170

E2564 – 米国・OSTPによる研究成果公開に関する政策方針について
カレントアウェアネス-E No.449 2022.12.22
https://current.ndl.go.jp/e2564

CA2025 – 再現性・複製可能性と研究図書館 / 西岡千文
カレントアウェアネス No.353 2022年09月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2025