欧州連合(EU)理事会、学術出版の透明性、公平性、オープン性を求める結論を採択

2023年5月23日、欧州連合(EU)理事会が、公的資金による研究の出版において即時かつ制限のないオープンアクセス(OA)を求める「高品質で、透明性、オープン性、信頼性、公平性のある学術出版」(high-quality, transparent, open, trustworthy and equitable scholarly publishing)に関する結論を採択しました。

プレスリリースによると、採択された結論の中で、理事会は欧州委員会(EC)と加盟国に対し、著者や読者からコストを徴収しない、非営利でOAかつ様々な形態による学術出版モデルに対する政策の支援を求めています。また、学術出版物をオープンライセンスのもとで即時OAな状態とするために各国がOAポリシーやガイドラインを設定すること、出版プラットフォームOpen Research Europeやオープンソースのソフトウェアや基準の利用を支援すること、研究者の評価において査読実績を認め正当な評価を与えることなどを推奨しています。

Council calls for transparent, equitable, and open access to scholarly publications (Council of the EU, 2023/5/23)
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2023/05/23/council-calls-for-transparent-equitable-and-open-access-to-scholarly-publications/

High-quality, transparent, open, trustworthy and equitable scholarly publishing – Council conclusions (approved on 23 May 2023) [PDF: 9ページ]
https://data.consilium.europa.eu/doc/document/ST-9616-2023-INIT/en/pdf

参考:
E2564 – 米国・OSTPによる研究成果公開に関する政策方針について
カレントアウェアネス-E No.449 2022.12.22
https://current.ndl.go.jp/e2564

E2536 – 欧州連合理事会採択のオープンサイエンスに関する政策指針
カレントアウェアネス-E No.443 2022.09.15
https://current.ndl.go.jp/e2536

E2416 – Open Research Europeについての考察
カレントアウェアネス-E No.419 2021.09.02
https://current.ndl.go.jp/e2416