フィンランド国立図書館、同館のカーボンフットプリント評価に関する初の報告書を公開

2023年5月4日、フィンランド国立図書館が、同館のカーボンフットプリント評価に関する初の報告書を公開したと発表していました。

同館では、その運営におけるカーボンフットプリント評価のための作業部会が2021年春に立ち上げられました。パンデミックの影響を受けていない2019年が評価対象年として調査され、報告書では結果等がまとめられています。

評価の目的は、情報の収集と意識の向上だけでなく、2030年までにカーボンニュートラルを達成するために図書館が取るべき対策を決定する際に役立てることとあります。ヘルシンキ大学は2030年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げており、同館も同じ目標を採用することを決定したとあります。

報告書によると、2019年の同館のCO2排出総量は1,018トン(CO2相当量)であったとあります。排出量の3分の2は施設でのエネルギー消費によって発生したものであり、主にICTサービスや図書館資料の購入といった調達に起因するもの(同館独自のデジタルサービスやデジタル化の取組によるものは含まない)が約21%で続いているとあります。

報告書では、同館の施設・ごみ処理、業務関連の移動、IT・デジタルサービス、資料収集や図書館設備等の調達の4項目についての調査結果が報告されています。また、過去に他機関が実施した評価の概要等についても紹介されています。

First report on the National Library’s carbon footprint released(NLF, 2023/5/4)
https://www.kansalliskirjasto.fi/en/news/first-report-national-librarys-carbon-footprint-released

Carbon footprint of the National Library of Finland: A report on carbon footprint assessment for 2019 [PDF:24ページ]
https://www.doria.fi/bitstream/handle/10024/187007/Carbon%20footprint%20of%20the%20National%20Library%20of%20Finland.pdf

関連:
Towards carbon neutrality – The University of Helsinki calculates its carbon footprint and draws up a plan to reduce emissions(University of Helsinki, 2023/4/14)
https://www.helsinki.fi/en/news/sustainability/towards-carbon-neutrality-university-helsinki-calculates-its-carbon-footprint-and-draws-plan-reduce-emissions

CARBON NEUTRAL UNIVERSITY OF HELSINKI BY 2030: ROADMAP [PDF:53ページ]
https://www.helsinki.fi/assets/drupal/2023-05/HY_Tiekartta_taustapaperi_EN.pdf
※カーボンニュートラルに関するヘルシンキ大学のロードマップです。

参考:
E2544 – フィンランドの公共図書館の環境への意識や影響に関する調査
カレントアウェアネス-E No.445 2022.10.13
https://current.ndl.go.jp/e2544