米・EveryLibrary Institute、公共図書館と禁書に対する保護者の認識に関する調査報告書を公開

2023年9月27日、米国における図書館のための政治活動委員会EveryLibraryの関連組織であるEveryLibrary Instituteが、公共図書館と禁書に対する保護者の認識に関する調査報告書“Public Libraries and Book Bans: Parent Perception Book”を公開しました。独立系文芸サイトBook Riotと共同で作成されたものです。

9月に実施されたアンケート調査に基づき、18歳以下の子どもを持つ保護者853人の回答がまとめられています。

調査の結果得られた主な知見として、以下のようなものが挙げられています。
・回答者の53%は図書館員の選書方法を知らない。
・回答者の66%は子どもが借りた本に不快感を持ったことがない。
・回答者の92%は、自分の子どもが図書館にいることを安全だと感じている。
・どのような年齢の子どもであっても、人種、社会正義、性教育、LGBTQ+のテーマに関するそれぞれの年齢に適した書籍にアクセスできるべきだと考えているのは回答者の13%に過ぎない。
・回答者の90%は、子どもが読む本を決定するのは保護者である自分であると考えている。
・回答者の64%は「禁書は時間の無駄」と考えている。

今回の調査は保護者と図書館に焦点を当てる3回から成るシリーズの第一弾であり、今後、学校図書館の認識、図書館員の認識に関する追加の調査が予定されているとあります。

Parent Perceptions of Public Libraries and Book Bans Survey – Report Released(EveryLibrary Institute, 2023/9/27)
https://www.everylibraryinstitute.org/parent_perceptions_pl_bans_survey_2023

Public Libraries and Book Bans: Parent Perception Book [PDF:26ページ]
https://assets.nationbuilder.com/votelibraries/pages/6280/attachments/original/1695812549/Parent_Survey_Public_Libraries_Book_Bans_EveryLibrary_Book_riot_Sept_2023.pdf?1695812549

参考:
米・EveryLibrary、2023年の懸念される法律等をまとめたページを公開 [2023年06月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/182735

米・EveryLibrary Institute、わいせつ物規制法における図書館・教育関連の条項に関するレポートを公開 [2023年01月26日]
https://current.ndl.go.jp/car/171477

米・EveryLibrary Institute、禁書に対する有権者の認識に関する報告書を公開 [2022年09月22日]
https://current.ndl.go.jp/car/46870

米国図書館協会(ALA)、人種差別やLGBTQ+等に関する書籍を図書館から排除する取組に関する有権者・保護者への調査結果を発表 [2022年03月25日]
https://current.ndl.go.jp/car/45870