北米研究図書館協会(ARL)が刊行したResearch Library Issues誌の275号(2011年6月号)では、国際ILL/DD(図書館間相互貸借/ドキュメントデリバリー)が特集されています。ARLは、ARL参加館における国際ILL/DDの実態を調査するタスクフォースを設置し、その下に“International Interlibrary Loan”、“Trends in Licensing”、“US Law and International Interlibrary Loan”という3つのワーキンググループを招集したそうです。同号では、各ワーキンググループからのホワイトペーパーと、タスクフォース全体の報告という4本の記事が掲載されています。タスクフォースの報告では、紙資料から電子リソースへの移行に伴って、ILL/DDを可能とする根拠が著作権法ではなく出版社との契約へとシフトしている点について触れ、このような変化の中でも国際ILL/DDを維持するために、出版社との契約の際にはそれを認めるよう交渉していくべきである、などとしています。
Research Library Issues Features Report on International ILL (ARL 2011/5/27付けニュース)
http://www.arl.org/news/pr/rli275-27may2011.shtml
Research Library Issues, no. 275 (June 2011) (ARL)
http://publications.arl.org/rli275
参考:
5. 電子環境下におけるドキュメント・デリバリー・サービスの現状と展開 / 宇陀 則彦
http://current.ndl.go.jp/node/2216
CA1545 – 動向レビュー:小特集:デジタル時代のドキュメント・デリバリー・サービス / 井上佐知子, 山岡規雄, 上田貴雪, 筑木一郎
http://current.ndl.go.jp/ca1545