“Respectful Terminologies Project”の始動:カナダの図書館等における先住民族に関する適切な用語使用の促進(記事紹介)

2023年3月6日付で、SPARCが、カナダにおけるプロジェクト“Respectful Terminologies Project”の始動に関する記事を掲載しました。

同プロジェクトはカナダを拠点とする非営利団体である全国先住民族知識・言語連合(National Indigenous Knowledge and Language Alliance:NIKLA)によるものであり、大学司書等が主導しています。プロジェクトの目的は、図書館、文書館、博物館等において使用されてきた植民地主義に根ざした文化的に不適切な言語を、多様なコミュニティを反映したより適切な記述に置き換えることとあります。今回カナダ国立図書館・文書館(LAC)等を含む複数の機関からのシード資金を獲得したことにより、先住民族に関連する優先語彙のオープンなオンラインプラットフォームの構築が開始されたことが紹介されています。

プロジェクトの推進にあたっては、イヌイット族、メティ族、またこれらに属さないファースト・ネーション(First Nations)の主要3グループを含む先住民族との協議が行われ、関係を築きながら協力してより説明的で適切な言語を探求するとしています。

プロジェクトは最大6年間となる予定で、記事ではその成果はカナダのみならず米国やその他の地域における文化記録部門でも役立つであろうと述べられています。

Respectful Terminologies Project for Indigenous People Launches in Canada(SPARC, 2023/3/6)
https://sparcopen.org/news/2023/respectful-terminologies-project-for-indigenous-people-launches-in-canada/

PROJECTS(NIKLA)
https://www.nikla-ancla.com/projects

関連:
Seed Funding Secured for NIKLA’s Respectful Terminologies Project(NIKLA, 2023/1/31)
https://www.nikla-ancla.com/post/seed-funding-secured-for-nikla-s-respectful-terminologies-project

参考:
米・カリフォルニア大学バークレー校ロースクール図書館における先住民族に関する資料の再分類(記事紹介) [2023年02月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/173151

オーストラリア・ニュージーランドの図書館関連団体ら、先住民コレクションに関するガイドライン策定を開始 [2022年12月26日]
https://current.ndl.go.jp/car/169081

カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)、件名標目“Indians of North America”を“Indigenous peoples”に置き換え [2022年01月28日]
https://current.ndl.go.jp/car/45562

ブリティッシュコロンビア大学図書館(カナダ)の件名標目における先住民族「脱植民地化」に向けた取り組み(記事紹介) [2020年07月07日]
https://current.ndl.go.jp/car/41444