2022年1月25日、カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)が、件名標目“Indians of North America”を“Indigenous peoples”に置き換えたと発表しました。また、フランス語の件名標目“Indiens d’Amérique—Amérique du Nord”についても“Autochtones”に置き換えたとしています。
CRKNが運営する“Canadiana Collections”の内、デジタル化された歴史的出版物1,900万ページ以上が含まれる“Canadiana collection”のメタデータを対象に置き換えが行われました。発表によると、今回の取組はメタデータの脱植民地化(decolonizing)の第一段階であり、第二段階として、各コミュニティを指す件名標目から“Indian”を削除し、名称と用語を更新する取組が現在行われています。
また、置き換えを行う件名標目の暫定的な一覧を公開していること、不適切な件名標目・記述に対する国家的な取組等の必要性を認識していること、先住民との協議の増加・継続が優先事項であること等が述べられています。
Decolonizing Canadiana Metadata: An Overdue Step in Removing Harmful Subject Headings(CRKN, 2022/1/25)
https://www.crkn-rcdr.ca/en/decolonizing-canadiana-metadata-overdue-step-removing-harmful-subject-headings
参考:
ブリティッシュコロンビア大学図書館(カナダ)の件名標目における先住民族「脱植民地化」に向けた取り組み(記事紹介)
Posted 2020年7月7日
https://current.ndl.go.jp/node/41444
図書館の目録等に含まれる差別的な表現に関する米・デューク大学図書館の声明(記事紹介)
Posted 2021年11月8日
https://current.ndl.go.jp/node/45127
米・オハイオ州の図書館コンソーシアムOhioLINK、共有電子リソースのMARCレコードに代替の件名標目を追加:LCSHの“Illegal aliens”の代替として“Undocumented immigrants”など
Posted 2021年5月7日
https://current.ndl.go.jp/node/43934
米・ハーバード大学図書館、件名標目“illegal alien”の使用終了を発表
Posted 2021年3月11日
https://current.ndl.go.jp/node/43517
Canadiana Collectionsの収録コンテンツ6,000万ページ超が無料で利用可能に
Posted 2019年1月30日
https://current.ndl.go.jp/node/37490