COPIMによるコンピューテーショナル書籍出版の新しいモデル作成についての報告(記事紹介)

2023年3月14日、書籍のオープンアクセス出版発展を目指すCOPIMがウェブサイト上で、コンピューテーショナル書籍出版の新しいモデル作成について報告するブログ記事“A new model for computational book publishing”を公開しました。

記事によると、COPIMはコンピューテーショナル出版に関するパイロットプロジェクトにおいて、STEM分野の研究者が伝統的に使用してきたコンピューテーショナル出版ソフトウェアを、芸術・人文科学分野の研究者やアーティストが使用するためにどのように適合できるか、という検討を行っています。

そして、その検討の中で、オーディオ、ビデオオブジェクト、3Dモデル、リンクされたオープンデータリポジトリからのデータセット、リンクされたオープンデータクエリーで取り込んだ画像といった、様々なメディアを含んだコンピューテーショナル書籍を、より迅速かつ簡単に、出版するモデルを検証しているとあります。

また、作成したモデルの技術的ワークフローがJupyter Notebook、Quarto、GitHub Pagesを組み合わせたものであること、将来的には他のソフトウェアも代用できるようにすることが説明されています。次に取り組むのは、モデルを利用した出版物のプロトタイプの作成であり、現在、オープンデータソースとリンクさせたアートカタログの制作をしていること等も説明されています。

A new model for computational book publishing(COPIM, 2023/3/14)
https://copim.pubpub.org/pub/computational-book-model

参考:
コンピューテーショナル出版のパイロットプロジェクトについて(記事紹介) [2022年11月17日]
https://current.ndl.go.jp/car/47202

書籍のオープンアクセス出版発展を目指すプロジェクトCOPIM、“Open Book Collective”の組織モデルを発表 [2022年9月9日]
https://current.ndl.go.jp/node/46802

持続可能で公平な書籍のオープンアクセス出版に関するプロジェクト“Open Book Collective”の背景と取組(記事紹介) [2022年6月16日]
https://current.ndl.go.jp/node/46329

書籍のオープンアクセス出版発展を目指すプロジェクトCOPIM、オープンインフラストラクチャーのコミュニティガバナンスに関する報告書を公開 [2022年5月12日]
https://current.ndl.go.jp/node/46112

書籍のオープンアクセス出版発展のための基盤構築に取り組むプロジェクトCOPIM、大手商業出版社によるオープンアクセス基盤買収を懸念する声明を公表 [2021年12月17日]
https://current.ndl.go.jp/node/45344