米・アイビー・プラス図書館連合(IPLC)、米国大統領府科学技術政策局(OSTP)へ書簡を送付したことを発表し書簡の内容も公開

2023年3月3日、米・アイビー・プラス図書館連合(IPLC)は、3月1日にIPLCのライブラリーディレクターが、IPLCに参加している図書館全13館を代表して米国大統領府科学技術政策局(OSTP)に書簡を送っていたことを発表しました。また、その内容も公開しています。

書簡では、OSTPの研究成果へのパブリックアクセスを推進する政策方針に強い支持を示しています。一方で、政策方針実施のための経路が、商業出版者の利益追求のために、論文処理費用(APC)モデルやRead & Publish契約といった“pay to publish”モデルに設定されることへの危惧を示しており、資金力の乏しい機関や分野の学者を締め出す危険性があることを指摘しています。IPLCは米国内で最も充実した図書館の代表として、自分たちの大学の学者の研究成果だけでなく、すべての研究のパブリックアクセスを推進するためにリソースを活用することを約束するとしています。

また、政策方針を歓迎すると同時に、公開、リポジトリ、データ管理、人員配置に関連する多額の追加費用が発生し、各研究者および機関が負担することになる可能性があるとして、将来の支出法案において適切な財政支援が設定されることを強く求めるとあります。

IPLC Letter to the Office of Science & Technology Policy(IPLC,2023/3/3)
https://ivpluslibraries.org/2023/03/iplc-letter-to-the-office-of-science-technology-policy/

参考:
米国大統領府科学技術政策局(OSTP)、連邦政府の科学的完全性に関する方針と実践を強化するためのフレームワークを発表 [2023年01月30日]
https://current.ndl.go.jp/car/171605

米国大統領府科学技術政策局(OSTP)、連邦政府全体でのオープンサイエンスの推進を発表:2023年を「オープンサイエンスの年」と位置付け [2023年01月30日]
https://current.ndl.go.jp/car/171598

E2564 – 米国・OSTPによる研究成果公開に関する政策方針について
カレントアウェアネス-E No.449 2022.12.22
https://current.ndl.go.jp/e2564

E2177 – 米・アイビー・プラス図書館連合のQueer Japan Web Archive
カレントアウェアネス-E No.376 2019.09.19
https://current.ndl.go.jp/e2177