スコットランド女王・メアリーの手紙の解読(文献紹介)

暗号に関する学術誌“Cryptologia”で、2023年2月8日付のGeorge Lasry氏とNorbert Biermann氏、Satoshi Tomokiyo氏による共著論文“Deciphering Mary Stuart’s lost letters from 1578-1584”が公開されました。

暗号で書かれた書簡55通について、コンピュータによる暗号解読技術と人手によるテキスト・文脈分析を組み合わせて解読したことがまとめられています。書簡はフランス国立図書館(BnF)に所蔵されていたものであり、解読の結果、スコットランド女王メアリー・スチュアートが1578年から1584年にかけて書いたものであると判明したと述べられています。

Lasry, George; Biermann, Norbert; Tomokiyo, Satoshi. Deciphering Mary Stuart’s lost letters from 1578-1584. Cryptologia. 2023.
https://doi.org/10.1080/01611194.2022.2160677

参考:
米ハンティントン・ライブラリー、クラウドソーシングで南北戦争時の暗号化された電信を復号化するプロジェクト ”Decoding the Civil War”を開始 [2016年06月28日]
https://current.ndl.go.jp/car/31913

英国図書館(BL)、「マグナカルタ展」で展示されている13世紀の刀剣の判読不明の銘文の解釈を依頼 [2015年08月11日]
https://current.ndl.go.jp/car/29145