転換契約でないとするならば?:代替案に関する9の質問と回答(記事紹介)

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の公式ニュースマガジンCollege & Research Libraries News(C&RL News)誌のVol. 84, No. 1 (2023年)に、記事“If not a transformative agreement, then what?: Nine questions and answers about an alternative ”が掲載されました。著者は米・マレー州立大学のA.J. Boston氏です。

記事では、転換契約がもたらすかもしれないプラス面が出版のための支払いの常態化によって打ち消され、公平性に大きな問題を提起していると述べられています。そして、すべての人の知識への参加を確保するための実践として、筆者は“Read & Let Read”(R&LR)契約を提案してきたとあります。

R&LRは、図書館が教育機関内外の学習者のために、購読ベース(subscription-based)のアクセスを購入する取引のこととあります。記事では、筆者が提唱するR&LR契約についての概説と、これまでに受けた質問とそれに対する筆者の回答が紹介されています。

Boston, A.J. If not a transformative agreement, then what?: Nine questions and answers about an alternative. College & Research Libraries, 2023, 84(1), p. 22-26.
https://doi.org/10.5860/crln.84.1.22

参考:
北米研究図書館協会(ARL)、オープンアクセス出版に関する大学教職員の認識と実践に関するレポートを公開 [2023年01月31日]
https://current.ndl.go.jp/car/171777

College & Research Libraries News誌が2022年からオンライン版のみの刊行に 2021-05-31
https://current.ndl.go.jp/car/44099

浅井澄子. 論文公開手段としてのオープンアクセスジャーナルの有効性. カレントアウェアネス. 2022, (351), CA2013, p. 2-4
https://current.ndl.go.jp/ca2013

尾城孝一. 学術雑誌の転換契約をめぐる動向. カレントアウェアネス. 2020, (344), CA1977, p. 10-15.
https://current.ndl.go.jp/ca1977