2023年6月19日付けのTaylor & Francisグループのニュース記事で、同社と英・Jiscの2021年から2年間の転換契約の成果を分析したリポート“Accelerating open access in the UK”を公開したことが紹介されています。
記事では、リポートの概要として以下のようなことが述べられています。
・過去2年間で、英国の参加機関に属する人文・社会科学(HSS)分野の著者による約7,900本の論文が同社のジャーナルにオープンアクセス(OA)で出版された。これは2019年、2020年の6倍以上にあたる。
・ HSSのなかでOA論文数がトップだったのは歴史学の分野である。転換契約の対象機関に属する著者によって、同社のジャーナルにOAで出版された歴史学の論文の割合は、2020年は10%だったのが、2022年には74%に増加した。
・転換契約を通じて、科学・技術・医学(STEM)分野においてもOA論文数や引用数に増加が見られた。2021年から2022年にかけては、契約開始前の過去2年間の3倍以上にあたる2,100本以上のSTEM分野の論文がOAで出版され、特に土木・構造・地盤工学分野では、英国の著者によるOA論文数が顕著に増加した。
Significant Acceleration of Humanities and Social Sciences Open Access Through Taylor & Francis and Jisc Transformative Agreement (Taylor & Francis Group, 2023/6/19)
https://newsroom.taylorandfrancisgroup.com/jisc-and-taylor-and-francis-transformative-agreement-report/#
Accelerating open access (OA) in the UK
https://insights.taylorandfrancis.com/research-impact/accelerating-open-access-uk/
参考:
英・JiscとTaylor & Francisグループ、3年間の転換契約を締結 [2021年04月15日]
https://current.ndl.go.jp/car/43817
英・JiscとWiley社、4年間の“Read and Publish”契約を締結
Posted 2020年3月4日
https://current.ndl.go.jp/node/40397
CA1977 – 動向レビュー:学術雑誌の転換契約をめぐる動向 / 尾城孝一
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1977