ドイツの2022年書籍市場動向:書籍市場においても個人消費の落ち込みが明らか(記事紹介)

2023年1月5日付で、ドイツ図書流通連盟(Börsenverein des Deutschen Buchhandels)が、同国における2022年の書籍市場動向に関する記事を掲載しました。

記事では、2022年の消費全般の低迷が書籍市場にも影響を及ぼし、小売書店やAmazonなどのeコマースといった中心的な販売網全体の売上が、好調だった前年を2.1%下回ったとしています。2021年にロックダウンによる店舗閉鎖が数ヶ月続いた実店舗書店に関しては、まだパンデミック前の水準には達しないものの売上が回復し、2021年と比較して売上高4.8%増で2022年を終えたとしています。

また、書籍市場全体と同様にほとんどの分野の書籍が前年度比で売上高を減少させた中で、「フィクション」と、パンデミックの影響を大きく受けた「旅行本」が、それぞれ4.3%、13.4%増となったことしています。

Book market results 2022: Consumer spending reluctance is also evident in the book market(Börsenverein des Deutschen Buchhandels, 2023/1/5)
https://www.boersenverein.de/boersenverein/aktuelles/detailseite/book-market-results-2022-consumer-spending-reluctance-is-also-evident-in-the-book-market

参考:
カナダの出版団体BookNet Canada、カナダの英語書籍の出版に関する2021年版の調査報告書を公開 2022-10-04
https://current.ndl.go.jp/car/46936

2021年の紙と電子を合算した出版市場、前年比3.6%増の1兆6,742億円で3年連続のプラス成長:全国出版協会・出版科学研究所の調査 2022-01-31
https://current.ndl.go.jp/car/45568