CA1880 – 動向レビュー:ORCIDのコミュニティ展開ー日本での実装に向けてー / 宮入暢子

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カレントアウェアネス
No.329 2016年9月20日

 

CA1880

動向レビュー

 

ORCIDのコミュニティ展開ー日本での実装に向けてー

ORCID Inc.:宮入暢子(みやいり のぶこ)

 

1. はじめに

 学術活動に従事する研究者や研究成果へのあらゆる貢献者に、永続的で一意な識別子を付与することを目的とするORCID(Open Researcher & Contributor ID)イニシアチブ(1)が、2012年10月にレジストリサービスを開始してから約4年が経過した。個人が無料で取得できるIDの登録数は240万人を数え、年会費を支払ってそのサービスを支えるメンバー機関も500を超えた現在(2)、ORCIDは世界の学術コミュニティに急速に浸透しつつある。

 2016年の重点目標として、運営母体であるORCID Inc.は以下の3点を掲げている(3)
 ①持続可能性(Sustainability)
 ②業界でのリーダーシップ(Industry Leadership)
 ③組織の成熟(Organizational Maturity)

 本稿の前半では、これらの重点目標を軸とした2016年前半の活動と、コミュニティ主導型のイニシアチブとしてのORCIDについて解説する。後半では、2016年6月に開催された東京でのワークショップを振り返り、日本でのORCIDの展開について考察する。ORCID成立の経緯(CA1740参照)や2015年末までの活動、実装事例などについては他の報告(4)(5)を参照されたい。

 

2. 機関メンバーシップの拡大

 創設メンバー機関による初期投資と融資(6)に加えて、米国のスローン財団(7)や欧州委員会(EC)(8)からの財政支援を得たORCIDイニシアチブは、当初欧米を中心に活発な進展を見せた。2015年初頭には米国のヘルムズリー信託基金から追加資金(9)を得て、北米、中南米、欧州、アフリカ・中東地域、アジア・太平洋地域を担当する計5名から成るメンバーシップチームを拡充した。これによって、それまで欧米、出版産業に偏りがちであったアウトリーチ活動が新たな広がりを見せた。

 このチームの最大の目標は、ヘルムズリー資金の提供が終了する2016年末までに、ORCIDメンバーと呼ばれる組織会員からの年会費によって完全に運営コストをまかなえる体制に移行することである。年初に350を数えたORCIDメンバー機関は、2016年前半に成立したオーストラリア、台湾、ベルギー、オランダなどでのコンソーシアム参加機関を含めて6月までに500を超えたが、この財政目標の達成にはまだ及ばない。各地域へのアウトリーチを目的として開催される地域ワークショップが、2016年前半にはオーストラリア、アラブ首長国連邦、シンガポール、スペイン、カナダ、香港などで開催され(10)、ORCIDメンバーシップを検討する機関への情報提供を行っている。2016年6月に開催された日本でのワークショップについては後述する。

 

3. ORCID実装レベルの深化

 すでにORCIDメンバーである機関を対象として、電子認証の必須化、プロトコルやデザインの標準化、実装レベルの深化などを目的としたCollect & Connectプログラム(11)が新たに展開されている。本プログラムではORCIDの実装レベルとして以下の4段階を示している。
 ・Collect(電子認証を通じて正しく人物とその属性や業績情報をリンクする)
 ・Display(ORCID IDが正しく使われていることをユーザーインターフェースに明示する)
 ・Connect(ORCIDレコード上の情報をその他のシステムに正しく、効果的にリンクする)
 ・Synchronize(リンクされた情報を正確・迅速に同期することにより、分析などの二次利用を促進する)

 本プログラムでは、各機関がそれぞれ運用するシステムにORCIDがどのレベルまで実装されているかを上記の4段階に照らして明らかにし、またORCIDを経由して他のシステムにデータが反映されていく相互運用の仕組みについて各機関の理解を深めることを目標としている。ORCID IDが単に一個人を表す16桁の数列ではなく、様々な電子化されたシステム内に散在する個人とその業績情報をつなぐ機械可読識別子として正しく効果的に機能するよう、ORCID Inc.は各メンバー機関の協力を仰ぎ、さまざまなORCID実装システムが4段階のどのレベルにあるか、ウェブサイト上で公開する予定である。

 

4. 学術情報コミュニティへの積極的な参与

 ORCIDのさらなる普及のため、ORCID Inc.は自らが主催するワークショップやイベント以外にも、学術出版や研究データ、機関リポジトリ、研究評価など学術コミュニティの多様なステークホルダーが参加する国際会議に積極的にスタッフを派遣し、以下に述べるような新たなイニシアチブを積極的にリードしている。

 学術情報を効率的に検索したり、研究成果を分析するにあたっては、「どこの」「誰が」「何を」したか、というリンクが重要である。電子化された研究成果物に対して付与されるDOIはすでに広く浸透し、個人識別子としてのORCIDがそれと結びつくことによって「誰が」「何を」したか、というリンクができるようになったが、それらの個人が「どこに」所属しているかを表す機関IDについては、まだ世界的な標準識別子が確立していない。機関IDについても、ORCIDと同じように独立・中立的な運用体制と相互運用性、永続性を確保する体制と、コミュニティによる支持が必要であるとして、ORCID Inc.はCrossref(CA1481CA1836参照)やDataCite(CA1849参照)と協働して広くその必要性を呼びかけている(12)。ディジタル識別子についての啓蒙と普及を目指して、2016年11月初旬にはアイスランドでカリフォルニア・ディジタル・ライブラリー(CDL)(13)を加えた4機関合同による識別子に関する会合(14)を予定している。

 

5. 組織としての成熟

 ORCIDイニシアチブの発展を支えたのは、創設を支援したメンバー機関の代表者からなる意思決定機関としての理事会組織に加えて、ビジネス運営部会、技術検討部会、アウトリーチ運営部会(後にコミュニケーション運営部会に改称)などに参加する様々なステークホルダーによる無償の支援活動であった。組織としてのORCID Inc.は2012年に就任した事務局長に加えて、数名のスタッフにより運営されてきたが、前述の追加資金調達により、2015年半ばには20名にまで増員された。加入メンバー機関の増加と組織の拡大は、運営体制にも変化をもたらしている。

 2015年11月のORCID理事会の決定を受けて、これまで理事による互選であった理事会構成メンバーは、2017年よりORCIDメンバー機関の投票により選出されることとなった(15)。従来からの規約により、理事会構成メンバーは専門性や所属するコミュニティ(大学・研究機関、学会、出版事業者、政府系機関など)のバランスを考慮し、また、その過半数は非営利機関に所属することとされている。ORCID理事は単なる名誉職ではなく、年3回開催される理事会への参加、ORCID Inc.の運営責任と意思決定への関与、自身が属するコミュニティでの積極的なORCID支援などの重責を無報酬で果たすことが求められる。2016年8月1日までに最初の推薦を締め切り、その後候補者名簿の公開と代案の推薦を経て、メンバー機関による投票が2016年12月に行われる予定である。

 ボランティアとしてORCIDの活動を支援するORCIDアンバサダーは、これまで個人の参加表明にもとづいて柔軟に組織されてきたが、2016年から1年ごとの任期制となった。当初より地域的なバランスは考慮されていたが、より多様なコミュニティからの参加を募るとともに、何らかの理由で活動の継続が難しくなったアンバサダーと、新たに参加の意思を表明した者との入れ替えを行った。現在は20か国以上から60名あまり(16)が登録し、各コミュニティでの啓蒙活動を続けている。

 

6. コミュニティが支えるORCID

 このように組織としての持続可能性を追求し、順調に発展してきたORCIDの最大の特長は、コミュニティ主導という点にある。サービスやビジネスモデルの原型、技術仕様などは各部会での提案をもとに理事会で決定され、初期の実装事例はコミュニティからの開発提案の公募とそれらに対する公的資金の配分という形で実現した(17)。また、英国Jiscによるパイロットプロジェクト(E1687参照)(18)や、英国(19)、イタリア(20)、オーストラリア(21)(22)などでのコンソーシアム設立は、各国のステークホルダーが自発的に集まってORCIDの利点やコンソーシアムの目的、運営体制などを協議して実現したものである。ORCID Inc.の役割は、こうしたコミュニティの要請を受けて、その実現に向けたサポートを提供することに尽きる。

 

7. 日本国内での反応

 日本国内では、早くからORCID理事、技術検討部会、アウトリーチ運営部会、アンバサダープログラムなどへの個人の参加があったが、機関会員は当初、国立情報学研究所(NII)、科学技術振興機構(JST)に加えて営利企業2社の計4機関のみであった。2014年11月にはアジアで最初のORCIDアウトリーチミーティングが東京で開催(E1633参照)されたが、その後の2年間に新メンバーとして加入したのは物質・材料研究機構(NIMS)(23)のみである。

 この間、国内の大学・研究機関や学協会、政府機関などからORCIDに多く寄せられた質問や要望には、以下のようなものがある。
 ・ORCIDを使ってできることと、そのメリット
 ・他国でのORCID導入状況
 ・ResearcherID(24)、ResearchGate(25)、その他の研究者プロフィールシステムとの違い
 ・researchmap(26)、e-Rad(27)、KAKEN(28)、J-STAGE(29)など国内システムとの連携状況
 ・メンバー会費の見積
 ・円払いできる代理店の紹介
 ・内部説明に使用するための、日本語資料の提供
 ・上層部への直接説明

 これらの質問や要望から、日本でORCIDコミュニティがなかなか発展しない事情がうかがわれた。多くの国々では、英語で公開されているORCIDの基本情報をもとに活発な議論が行われている。非英語圏でも、国内の主要情報源やORCIDアンバサダーを中心とする有志ボランティアによって関連文献が翻訳されORCIDへの理解が進んでいるが、日本ではそのような動きがあまり進んでいないように見受けられた。また、率先してパイロット実装を試みる機関が相次いだ諸外国と比べると、日本の各機関はその気運に乏しく、国内システムとの連携が進めば導入せざるを得ない、といったレイトマジョリティ(30)的な反応が多くみられた。さらに、コミュニティの一員としてORCIDイニシアチブの目的を支持し、その実践に参画するというORCIDの機関メンバーシップの趣旨が、あたかも雑誌購読や海外データベース契約のように誤解されており、ORCID側がもっと日本での普及に必要な宣伝をすべきと考える向きが多いように思われた。

 

8. 日本におけるORCID実装の可能性

 こうした状況の中、2016年6月にORCID主催のワークショップが東京(31)と福岡(32)でそれぞれ開催された。これは前述の機関メンバーシップ拡大を目的とする地域ワークショップの一環として行われたもので、研究支援者、大学図書館員、学協会、出版社など幅広いステークホルダーが参加した。

 100名あまりが参加した東京ワークショップの最終セッションでは、「日本におけるORCID実装の可能性」と題して、学協会、大学、データベース提供企業などを代表する各パネリストからのコメントに加えて、フロアからの質疑と活発なディスカッションが行われた。全体を通して、研究者名の名寄せという根本的な問題解決に役立つORCIDの意義があらためて確認され、既存の研究者プロフィールシステムや文献データベースとの連携、学術出版や機関評価における研究者およびその業績データの入力・収集の簡素化など、日本におけるORCID実装への期待が多く寄せられた。一方、メンバーシップ会費の捻出や、実装にあたっての技術サポート、組織内での周知など、各組織での個別対応によるコストや人的負担についての懸念が示された。これに対し、コンソーシアム結成によるスケールメリットには多くの参加者が賛同したが、事務処理を一本化するための受け皿となる組織については今後の検討課題とされた。また、researchmapやCiNii(33)など既存の国内システムがORCIDにより高度に対応・連携することを望むコメントが相次ぐとともに、CrossrefやDataCiteがすでに実施し、研究者への訴求効果も高いORCID自動アップデート(34)(35)と同様の仕組みを実現することがジャパンリンクセンター(JaLC)(36)に対して要望された。しかし既存の国内システムはすでに決められた予算と開発計画にもとづいて運用されており、ORCIDが導入されるためにはユーザー側の要望が多く寄せられなければ難しい、との姿勢が関係者より示された。

 ワークショップ後に実施されたアンケートでは、

 「非常に有意義だった。ORCIDを根底に様々なサービスがつながる将来が想像でき、自信を持って機関メンバーを検討したい。」

といった肯定的な意見が多く寄せられる一方で、

 「ORCIDを学内のプロファイルシステムと連携させるにはどうしたらよいのか、まだ理解できていない。活用例を教えて欲しい。」

といった反応も見られ、依然として日本でのコミュニティ主導型イニシアチブの実現は困難であることがうかがわれた。また、以下のようにORCIDコンソーシアムや既存のシステムの拡張可能性への言及もあったが、その多くは漠然とした期待であり、実現のためにはコミュニティから関係機関への積極的な働きかけが必要であろう。

 「CLOCKSS(37)やSCOAP3(38)のように、日本に代表窓口を設けて大学コンソーシアムを結成している事例はある。ORCIDもそのようにできないのか。」

 「科研費申請の際にORCIDの入力が義務化されれば、あっという間に日本では浸透するはず。」

 

9. 日本における今後のORCID展開に向けて

 すでに多くの機関がメンバーとなっている国や地域に共通するのは、ORCIDの理念や基本情報を咀嚼し、ローカルな文脈においてその必要性を説く多くの支持者の自発的な活動と、そうした個人が集まってワーキンググループやコンソーシアムの結成へとつながるコミュニティの結束と組織力である。東京ワークショップのパネルディスカッションではその兆しが見られ、開催後に大学や学会からの問い合わせが相次いだ。コミュニティ主導でORCIDが日本に根付くためには、各ステークホルダーが連携を図り積極的に情報共有していくことが期待される。また、コンソーシアム結成のメリットとして年会費の低減のみが強調されるきらいがあるが、本来のメリットは事務手続きやサポート窓口の一元化と国内でのノウハウの蓄積であることを指摘しておきたい。

 日本国内のORCID登録者数は、すでに4万人を超えている(39)が、ORCIDメンバーとなっている大学はまだない。香港(8,000人)や台湾(16,000人)では、それぞれ7大学がORCIDメンバー機関となっており(40)、各機関で登録状況に差はあるが、平均して1,000-2,000人の所属研究者に対してORCIDについて何らかのサポートを提供していると考えられる。香港や台湾の大学では、ORCIDの学内導入に率先して図書館員があたっており、研究支援や業績評価などの担当部署との連携を推進している(41)。また、ORCIDの導入が先行して進んでいる欧米の大学でも、図書館員が重要な役割を果たしているが、研究情報の管理部門や研究支援、学内情報システムの担当者など、広く関連部署との連携が活発に行われている(42)。日本の大学においても、ORCIDの機関導入にあたっては、図書館と研究支援部門との連携は不可欠であろう。今後、両者の連携が進んで、すでにORCIDを利用している4万人以上の日本の研究者への積極的なサポートが展開されることを期待したい。

 日本において現時点で最もORCID実装に近いと思われるのは、学協会コミュニティである。すでに20余りの学協会誌は原稿投稿システム上で著者がORCID IDを登録できるオプションを提供しており、そのうち日本疫学会(43)では、Journal of Epidemiology誌で、代表著者のORCID入力を2016年8月より義務化(44)した。また、2016年7月から日本消化器外科学会(45)が国内学会では初のORCIDメンバー機関となり、さらに8月には日本地球惑星科学連合(46)がこれに続いた。

 国際誌との厳しい競争下にある日本の学協会誌の担当者は、すでに世界で5,000以上のジャーナルが入力を可能としているORCIDの実装を必要な投資と考え始めている。また、オーサーシップのメタデータ化(47)や投稿・査読実績のORCIDレコードへの反映(48)は、著者および査読者へのサービス向上として実務的なメリットに結びつく、という積極的な意見も聞かれる。学協会におけるこうした取り組みを端緒として、国内での今後のORCID導入が活発に進むことを期待したい。

 

10. おわりに

 筆者がORCID Inc.のスタッフとして着任してからちょうど1年が経った時点での本稿執筆は、あらためてコミュニティとともに歩むORCIDのあり方について考える良い機会となった。今後、日本の学術コミュニティの自発的なORCIDへの取り組みに期待したい。最後に、東京ワークショップでのパネルディスカッションのモデレーターとしてご尽力をいただいた科学技術・学術政策研究所の林和弘上席研究官より、本稿の執筆にあたり多大な助言と示唆をいただいたことを感謝する。

 

(1) ORCID Inc.
http://orcid.org/, (accessed 2016-07-04).

(2) 2016年8月1日現在。

(3) Laurel Haak. “ORCID mantra for 2016: Sustain, Lead, and Mature”. ORCID.
http://orcid.org/blog/2016/01/05/orcid-mantra-2016-sustain-lead-and-mature, (accessed 2016-07-04).

(4) 蔵川圭, 武田英明. 研究者識別子ORCIDの取り組み. 情報管理. 2011, 54(10), p. 622-631.
http://doi.org/10.1241/johokanri.54.622, (参照 2016-07-04).

(5) 宮入暢子. 研究者識別子ORCID:活動状況と今後の展望. 情報管理. 2016, 59(1), p. 19-31.
http://doi.org/10.1241/johokanri.59.19, (参照 2016-07-04).

(6) ORCID創設時のスポンサーシップについては以下を参照。
“Sponsors”. ORCID.
http://orcid.org/about/community/sponsors, (accessed 2016-07-04).

(7) Laurel Haak. “ORCID awarded grant from Alfred P. Sloan Foundation to support university and professional society integration of persistent identifiers”. ORCID.
https://orcid.org/blog/2013/06/13/orcid-awarded-grant-alfred-p-sloan-foundation-support-university-and-professional, (accessed 2016-07-04).

(8) Maaike Duine. “Building the human infrastructure: Project THOR Year 1”. ORCID.
http://orcid.org/blog/2016/06/30/building-human-infrastructure-project-thor-year-1, (accessed 2016-07-04).

(9) Laurel Haak. “ORCID receives $3 million grant to build international engagement capacity”. ORCID.
http://orcid.org/blog/2015/04/07/orcid-receives-3-million-grant-build-international-engagement-capacity, (accessed 2016-07-04).

(10) 各ワークショップについてはORCIDイベントページを参照。
“Events”. ORCID.
http://orcid.org/about/events, (accessed 2016-07-04).

(11) Alice Meadows. “Collect & Connect: Turning ORCID’s vision into reality”. ORCID.
http://orcid.org/blog/2016/06/07/collect-connect-turning-orcid’s-vision-reality, (accessed 2016-07-04).

(12) Josh Brown. “Organisations: the missing link?”. ORCID.
http://orcid.org/blog/2016/03/09/organisations-missing-link, (accessed 2016-07-04).

(13) California Digital Library.
http://www.cdlib.org/, (accessed 2016-08-04).

(14) 本稿執筆時点では会合の詳細は詳らかでないが、決定され次第以下のウェブサイトにて告知される予定である。
PIDapalooza.
http://pidapalooza.org/, (accessed 2016-07-04).

(15) Robert Kiley. “ORCID Board Elections! Calling for Nominations”. ORCID.
http://orcid.org/blog/2016/06/22/orcid-board-elections-calling-nominations, (accessed 2016-07-04).

(16) “Ambassadors”. ORCID.
http://orcid.org/content/orcid-ambassadors, (accessed 2016-07-04).

(17) Laurel Haak. “ORCID awarded grant from Alfred P. Sloan Foundation to support university and professional society integration of persistent identifiers”. ORCID.
https://orcid.org/blog/2013/06/13/orcid-awarded-grant-alfred-p-sloan-foundation-support-university-and-professional, (accessed 2016-07-04).

(18) Jisc-ARMA ORCID pilot project.
https://orcidpilot.jiscinvolve.org/wp/, (accessed 2016-07-04).

(19) “National consortium for ORCID set to improve UK research visibility and collaboration”.Jisc News.
https://www.jisc.ac.uk/news/national-consortium-for-orcid-set-to-improve-uk-research-visibility-and-collaboration-23-jun, (accessed 2016-07-04).

(20) “Italy Launches National ORCID Implementation”.CINECA.
http://www.cineca.it/en/news/italy-launches-national-orcid-implementation, (accessed 2016-07-04).

(21) Natasha Simons. “Australian ORCID Consortium Model released for comment”. ORCID.
https://orcid.org/blog/2015/08/14/australian-orcid-consortium-model-released-comment, (accessed 2016-07-04).

(22) Alice Meadows. “Australian ORCID consortium officially launched!”. ORCID.
http://orcid.org/blog/2016/02/19/australian-orcid-consortium-officially-launched, (accessed 2016-07-04).

(23) 同機構のORCIDへの取り組みについては、以下の文献を参照されたい。 谷藤幹子, 田辺浩介. 次世代研究者プロフィールサービス:SAMURAIからNinjaへ. 情報管理. 2015, 58(2), p. 107-116.
http://doi.org/10.1241/johokanri.58.107, (参照 2016-07-06).

(24) ResearcherID.
http://www.researcherid.com/, (accessed 2016-07-04).

(25) ResearchGate.
https://www.researchgate.net/, (accessed 2016-07-04).

(26) researchmap.
http://researchmap.jp/, (参照 2016-07-04).

(27) 府省共通研究開発管理システム.
http://www.e-rad.go.jp/, (参照 2016-07-04).

(28) 科学研究費助成事業データベース.
https://kaken.nii.ac.jp/ja/index, (参照 2016-07-04).

(29) 総合電子ジャーナルプラットフォーム [J-STAGE].
https://www.jstage.jst.go.jp/, (参照 2016-07-04).

(30) 社会学者のエヴェリット・ロジャースが1962年に著した書籍の中で示した概念。新しい技術やアイディアが社会に普及する過程でそれらを採用した者を5つのカテゴリに分けているが、このうち「レイトマジョリティ」はイノベーションが半ば普及してからもそれを懐疑的に捉え、社会の大半が受容した後にしかそれらのアイディアを受け入れないとされている。
Rogers, Everett. Diffusion of Innovations. 5th Ed. Free Press, 2003, 551p.

(31) “2016ORCID東京ワークショップ”. ORCID.
http://orcid.org/content/2016-orcid-tokyo-workshop, (参照 2016-07-04).

(32) “2016ORCID九州ワークショップ”. ORCID.
https://orcid.org/content/2016-orcid-kyushu-workshop, (参照 2016-07-04).

(33) CiNii.
http://ci.nii.ac.jp/, (参照 2016-07-04).

(34) Laurel Haak. “Auto-update has arrived! ORCID records move to the next level”. ORCID.
https://orcid.org/blog/2015/10/26/auto-update-has-arrived-orcid-records-move-next-level, (accessed 2016-07-04).

(35) 林和弘. “研究者プロファイルの新展開:研究者識別子(ORCID)を活用した信頼度の高いアップデートがもたらす可能性”. STI Horizon.
http://dx.doi.org/10.15108/stih.00014, (参照 2016-07-04).

(36) ジャパンリンクセンター(JaLC).
https://japanlinkcenter.org/, (参照 2016-07-04).

(37) CLOCKSS.
https://www.clockss.org/, (accessed 2016-07-04).

(38) SCOAP3 – Sponsoring Consortium for Open Access Publishing in Particle Physics.
https://scoap3.org/, (accessed 2016-07-04).

(39) 2016年7月現在。ORCIDに登録したメールアドレスの末尾が「.jp」である、もしくはCountryフィールドが「Japan」である登録者を数えている。

(40) “ORCID Member Organizations”. ORCID.
http://members.orcid.org/member-list, (accessed 2016-08-16).

(41) 例として、香港浸会大学の取り組みを紹介する。同大学の図書館では、大学からORCIDの登録を促すメールを受信した研究者を対象に図書館がビデオチュートリアルを作成している。
HKBU Library. “HKBU – ORCID creation demo”. YouTube.
https://www.youtube.com/watch?v=Zd5r0PflZE4&feature=youtu.be, (accessed 2016-08-04).
また、図書館がどのように関連部署と連携して学内でのORCID導入を進めたかについて報告している。
Chris Chan. “ORCID at Hong Kong Baptist University”. YouTube.
https://www.youtube.com/watch?v=NX-fooOCU1M&feature=youtu.be, (accessed 2016-08-04).

(42) 例えばオックスフォード大学では、英国および世界のORCID動向について調査し、同大学でのORCID利用について提言をまとめている。学内の研究情報管理部門が調査に必要な資金を提供し、図書館員が調査と報告書の作成を担当した。研究情報管理部門が学内でイニシアチブをとってORCID活用をさらに促すべき、としている。
Neil Jefferies. “Oxford University ORCID Scoping Study”. Bodleian Libraries, University of Oxford.
http://blogs.bodleian.ox.ac.uk/digital/wp-content/uploads/sites/166/2016/07/Oxford-ORCID-Scoping-Study-Report.pdf, (accessed 2016-08-04).

(43) 日本疫学会.
http://jeaweb.jp/, (参照 2016-07-04).

(44) “Guide for Authors (New submission from August 1, 2016)”. Japan Epidemiological Association.
http://jeaweb.jp/journal/pdf/Guide%20for%20Authors_EVISE2016.pdf, (accessed 2016-07-04).

(45) 日本消化器外科学会.
http://www.jsgs.or.jp/, (参照 2016-07-04).

(46) 日本地球惑星科学連合.
http://www.jpgu.org/, (参照 2016-08-04).

(47) Laurel Haak. “ORCID How to: More on specifying ORCID iDs in document metadata”. ORCID.
http://orcid.org/blog/2013/03/22/orcid-how-more-specifying-orcid-ids-document-metadata, (accessed 2016-08-04).

(48) Alice Meadows. “ORCID’s Early Adopter Peer Review Program – A Progress Report”. ORCID.
http://orcid.org/blog/2015/07/31/orcids-early-adopter-peer-review-program-progress-report-0, (accessed 2016-08-04).

 

[受理:2016-08-17]

 


宮入暢子. ORCIDのコミュニティ展開―日本での実装に向けて―. カレントアウェアネス. 2016, (329), CA1880, p. 2-4.
http://current.ndl.go.jp/ca1880
DOI:
http://doi.org/10.11501/10196261

Miyairi Nobuko.
Open Researcher and Contributor ID(ORCID): Community-Driven Approach – toward Adoptions in Japan.