カレントアウェアネス
No.250 2000.06.20
CA1329
LCのWeb-Brailleサービス
1999年8月,米国議会図書館(LC)の視覚障害者および身体障害者のための全国図書館サービス(National Library Service for the Blind and Physically Handicapped: NLS)は,視覚障害を持つ利用者に対してインターネット上で点字図書の提供を開始した。これがWeb-Brailleサービスである。
Web-BrailleではLCの所蔵する電子点字図書のデータをダウンロードして,またはオンラインで利用する。データは点字ディスプレイ(小型モーターの駆動によりピンを上げ下げして点字を表示する視覚障害者用パソコン周辺機器)に表示するか,点字プリンタで打ち出して読むことができる。サービス対象は米国居住もしくは海外在住のアメリカ国籍を所持している個人,および図書館,学校である。利用者は個々のIDとパスワードを使ってWeb-Brailleにアクセスする。
電子点字図書は当初2,700冊以上が提供され,その後も月約40冊のペースで増え続けている。NLS部長(director)のキルケ(Frank Kurt Cylke)氏は言う。「これは,インターネットを通じて利用できる点字図書コレクションを形成する試みとしては,国際的に見て初めての大きな業績である。」NLSは今後,デジタル録音図書の開発も手がけていくとのことである。
なお,日本ではこの4月に著作権法の改正案が可決され,2001年1月1日から施行される。これによって,点字データのパソコンへの保存やネットワークでの送信などが可能となる。
関根 美穂(せきねみほ)
Ref: LC. Web-Braille on the Internet. Inf Retr Libr Autom 35(6) 2, 1999
LC launches Web-Braille on Internet. Adv Tech Libr 28(11) 3-4, 1999
Library of Congress launches Web-Braille on the Internet. [http://www.loc.gov/nls/nls-wb.html](last update 1999.10.1) (last access 2000.5.22)