CA1978 – 動向レビュー:米国での電子書籍貸出をめぐる議論 / 井上靖代

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カレントアウェアネス
No.344 2020年6月20日

 

CA1978

動向レビュー

 

米国での電子書籍貸出をめぐる議論

獨協大学経済学部:井上靖代(いのうえやすよ)

 

はじめに

 米国の公共図書館等における電子書籍貸出をめぐる議論とその背景について述べる。筆者が別稿(E2226 参照)で紹介しているが、米国を中心とする英語圏図書館界での電子書籍貸出をめぐり、図書館と出版社との間で軋轢が生まれている。ここでは、その背景となる議論点をもう少し詳しく報告していきたい。議論点となるのは、電子書籍販売/貸出に対する出版社側の商取引としての思惑と、無料で提供することで誰でも利用できる情報環境を充実させたい公共図書館の使命とのせめぎあいである。特に米国には、公共貸与権制度(CA1579CA1754 参照)が導入されておらず、著作権者や出版エージェント、出版社にとっていかに収益を上げるかは大きな課題となっているかと思われる。その法的議論点として、電子書籍社会における米国著作権法の図書館での利活用を念頭においた整備が不十分であることが指摘できる。

 

電子書籍読書の動向

 電子書籍が登場してから人々の要求に応えるべく、主として北米の公共図書館は出版社側とライセンス契約を結び、提供してきた。電子書籍をはじめとして、電子化された雑誌・新聞・オーディオブック・映像作品などを人々は読むようになっているが、依然として紙媒体書籍での読書が電子書籍での読書を上回っている(1)。しかし、無料で図書館Web上から借りることができるとの利用者への広報が功を奏して、公共図書館での電子資料貸出は増加している(2)。ただ、ワトソン(Watson)の調査によると、その読者の電子書籍入手動向は変化しているという(3)。Statista社の2017年調査データを元にした分析では、電子書籍の入手先は購入(42%)や図書館からの借出(25%)以外に、友人からの入手(33%)、個人作品をアップしたサイトや違法サイトからのダウンロードが多い(31%)。その主な理由は無料であること以外に、ダウンロードが簡単であることや電子書籍として市販されていないことなどがあげられている。

 電子書籍販売は、出版点数が右上がりに伸びてきたものの、売り上げはここ数年低迷(4)しており、出版社側は利益を守るべく、図書館側に厳しい利用条件を強く求めてきた。多くは2年間の利用という制限であり、期限が来れば再度購入し直すという条件である。利用価格も一般販売額に比べ、高額を要求してきた。それでも図書館側は利用者のニーズに対応するため、条件を受け入れてきた。が、ここにいたってマクミラン社は2019年11月から利用価格を定額(ただし、一般向け販売価格より高額)にし、サービス対象人数にかかわらず1図書館システムにつき1点を8週間利用可とする条件を提示してきた。8週間経過するとさらにもう1点利用購入できるとしている(5)。図書館に電子書籍等を直接利用提供しないアマゾン(6)に比べれば、利用提供するだけましかもしれないが、それでも図書館側にとっては大きな負担となるし、1点のみでは利用者を待たせることとなる。ただ、マクミラン社はこの方針を2020年3月17日付で2019年10月以前のモデルにもどすと決定した、と米国の出版情報誌Publishers Weeklyが報じた(7)。新型コロナウイルス感染症の流行がその背景にあるのかどうか、正確な理由は不明であるともしている。米国図書館協会(ALA)は歓迎しつつも、他の出版社も含めて誰でも読めるようにするために図書館界と出版界との協働関係を築くための最初の一歩としている(8)。つまり、継続して電子書籍提供のための交渉を続ける意思を示しているといえよう。

 ここで伊藤(9)や筆者(E2226参照)らが指摘している図書館と電子書籍出版界との議論点を整理しておく。

 

(1)ライセンス契約条件の妥当性

 マクミラン社など電子書籍出版社の図書館への条件提示に対してALAが行っている活動を広報するためのウェブサイト#eBooksForAll(10)によると、Big5と呼ばれる大手出版社(その傘下には多くの関連出版社がある)の2019年10月時点での電子書籍提供(リース)モデルは表1のようなものである(11)

 

表1 大手出版社(Big5)による電子書籍提供モデル
出版社 図書館との電子書籍ライセンス契約条件
アシェット社 2年間のライセンス契約
ハーパーコリンズ社 従量制ライセンス契約(26回の貸出ごとに新規契約)
マクミラン社 新刊書1部につき1ライセンス。貸出期間8週間後に追加従量制ライセンス新規契約(2年間)
ペンギン・ランダムハウス社 2年間のライセンス契約
サイモン・シュースター社 2年間のライセンス契約

情報源;ALA.“eBook licensing terms for Big Five Publishers”. #eBooksForAll.
https://ebooksforall.org/index.php/faq/index.html, (accessed 2020-04-19)./

 

 つまり、学校や企業でPCを5年間でリース契約することがあるが、同じように出版社から電子書籍をリースするわけである。表1にみられるように、2年間のライセンス契約が期限を過ぎるとアクセスできず、再度リース契約を結ぶとしている出版社が多い。最初もそうであるが、再契約の際の契約金額が議論点のひとつである。

 2020年冬のALA大会で公共図書館部会(Public Library Association)副会長のクラーク(Larra Clark)が行った発表によれば、公共図書館資料費の27%は電子書籍を含む電子資料費となっているという(12)。したがって電子書籍にかける費用について注視せざるを得ないのである。公に内容を確認できる事例はごくわずかだが、例えば、ダグラス郡図書館の報告書(13)は、ニューヨークタイムズ紙やUSA Today紙でのベストセラー資料の価格を調査したものである。ベストセラーとなる人気の高いタイトルについては、複本を入手し、提供することが多い米国の公共図書館にとって価格は大きな課題である。出版社側では大量に紙媒体書籍の複本を購入する図書館に対しては、一般消費者向けに比べやや安値に設定しているようである。ところが電子書籍価格になるとそうはなっていない。前述の報告書から一部を表2で例として抜粋してみる。

 

表2 図書館価格と一般販売価格の比較
(※ 2015年時点でのドルと円との換算平均価格は約120円)
タイトル* 図書(印刷媒体) 電子書籍
図書館価格 一般販売価格 図書館価格 一般販売価格
ベイカー&テイラー(注) イングラム(注) アマゾン バーンズ&ノーブル(注) オーバードライブ 3M(注) アマゾン バーンズ&ノーブル
『さあ、見張りを立てよ』(2015) $15.45
(¥1,854)
$15.39
(¥1,847)
$16.07
(¥1,928)
$16.71
(¥2,005)
$24.99
(¥2,999)
$24.99
(¥2,999)
$13.99
(¥1,679)
$13.99
(¥1,679)
『アラバマ物語』(1960) $14.35
(¥1,722)
$14.29
(¥1,715)
$19.25
(¥2,310)
$19.63
(¥2,356)
$12.99
(¥1,559)
$12.99
(¥1,559)
$9.99
(¥1,199)
$10.99
(¥1,319)
『本泥棒』(2007) $11.03
(¥1,324)
$10.99
(¥1,319)
$11.31
(¥1,357)
$11.91
(¥1,429)
$38.97
(¥4,676)
$38.97
(¥4,676)
$6.11
(¥733)
$8.99
(¥1,079)
『ペーパータウン』(2010) $10.48
(¥1,258)
$9.89
(¥1,187)
$10.72
(¥1,286)
$11.16
(¥1,339)
$12.99
(¥1,559)
$12.99
(¥1,559)
$3.99
(¥479)
$6.99
(¥839)
『グレイ』(2011) $9.57
(¥1,148)
$9.41
(¥1,129)
$9.89
(¥1,187)
$9.98
(¥1,198)
$47.85
(¥5,742)
$47.85
(¥5,742)
$7.99
(¥959)
$9.99
(¥1,199)

* 『さあ、見張りを立てよ』(Go set a Watchman, 2015)はハーパー・リー著『アラバマ物語』(To kill a mockingbird, 1960)の20年後を舞台とした物語作品。この新作に関連して『アラバマ物語』も注目されたと思われる。『本泥棒』(The book thief, 2007)・『ペーパータウン』(Paper towns, 2010)・『グレイ』(Grey: fifty shades of Grey, 2011)は2015年に公開された映画の原作。

注:ベイカー&テイラー社(取次会社。主に公共図書館が取引先)、イングラム社(取次会社)、バーンズ&ノーブル社(大手書店チェーン)、3M社(化学・電気素材企業。事業の一環として図書館向け電子書籍サービスを提供)

 

 電子書籍の図書館向け価格と一般消費者向け価格の差がはたして妥当なのか、どうか。また、異なる事業者なのに、図書館向け価格が同一なのは何らかの意図が働いているのではないか。といったビジネス面での疑問とともに、あらゆる人々に読む自由を保障するために環境を整備したいという図書館側の思いとの間で、この価格やライセンス使用にかかる条件が妥当なのかという点に疑問が残る。

 

(2)図書館貸出システムを提供するプラットフォームの煩雑さと個人情報保護

 図書館向けに電子書籍貸出システムを提供しているオーバードライブ社のプラットフォームは米国・カナダの95%の公共図書館や多数の学校図書館で導入され4万3,000館以上と契約している(14)。他にもEBSCO社や3M社などとの契約により、多様なプラットフォームを公共・学校図書館は採用している。提供する電子書籍のタイトルが異なるため、出来るだけ多様な資料の提供を行うなら、複数のプラットフォームと契約する必要があり、図書館側と利用者側双方にとって煩雑になっていく。

 また、プラットフォームの事業者などに図書館利用者の個人情報を収集されてしまう危惧がある。ALAでは図書館でのプライバシー保護のためのチェックリスト(15)を準備しているが、危惧は大きいようである。Kindleをもつ利用者にオーバードライブ社のプラットフォーム経由で図書館が電子書籍を貸出するごとに、アマゾンがその利用情報を収集していた(16)ことが発覚した事例があり、そのため、チェックリストを準備し、図書館員に注意喚起をしているのである。この件に関しては、カリフォルニア州の州法第602条として、秘密裏に読書の内容やインターネット上での電子書籍購入などの個人の利用履歴を収集することの禁止等を定めた「読者のプライバシー法(Reader Privacy Act)」が制定される契機となった(17)。さらに、ALAはベンダーに対してもガイドラインを制定し、図書館から利用者の個人情報を無断収集・利用しないように要望している(18)

 米国デジタル公共図書館(DPLA;CA1857 参照)のようにオープンシステムで電子資料を提供しようとする試みも広がりつつある。理由としては図書館での電子書籍利用の煩雑性を少しでも回避するためには、クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスでの公開の了解を得て提供したほうが、費用と技術面、さらにサービス度といった点で問題が軽減するからである。ただ、これは著作権者や出版社には大きな利益をもたらさないことから、利用者や図書館、著作権者らが利益を得られるようになるため模索が続いている。

 

(3)米国著作権法の問題点

 大きな課題は著作権法である。米国著作権法(19)第108条には図書館における利用の例外規定が明記されているが、第101条の著作物の定義(20)には電子書籍について明記されていない。第108条では保存や研究のため、図書館がほかの図書館に対して電子媒体で提供することは示している(21)ものの、一般大衆のための電子資料貸出利用については示していない。改訂すべく調査研究され報告書が提出された(22)ものの、未だ実現にはいたっていない。したがって、著作権者(と、その代理人である出版社)からライセンスの許諾をうけて、図書館は電子書籍の貸出が可能となるわけである。電子書籍貸出のプラットフォーム提供事業者は、出版社とその利用価格を協議して、図書館に提供している。その価格設定について、上記の表1に示したように、著作権者(の代理人)の示すライセンス(利用に係る補償金)を図書館と交渉するものの、基本的には出版社側のビジネスとしての思惑から、一方的に決まるのはおかしいのではないか。また、表2に示すように事業者が異なるのに同一価格に設定しているのは、独占禁止法違反行為ではないか。このような考えの下、ALAは下院に審議を求めるべく要望書を提出したのである(23)

 

(4)電子書籍のフェア・ユースと「海賊版サイト」など

 出版社による電子書籍の販売額が減少している理由の一つには、個人での電子書籍公開(販売も含む)もさることながら、「海賊版サイト」の増加があげられる。例えば、Internet Archiveが2020年4月現在、新型コロナウイルスの状況に鑑みてNational Emergency Library(24)として、所有している電子書籍を2週間1部ずつ複数の利用者に貸出しているのは、フェア・ユースの範囲内であるとの見解もあるが(25)、著作権者である作家達は海賊行為であると批判している(26)。Internet Archiveは公共図書館とは異なり、電子書籍利用のライセンス補償金を支払っていない。米国著作権法(27)第107条にはフェア・ユースについての規定はあるが、民間個人や団体が自ら所有する電子書籍の貸出を行うことが果たして妥当なのかどうか議論となっている。ALAは著作権者の権利を尊重するためフェア・ユースの姿勢を明確にし(28)、交渉を行っているが、その姿勢をないがしろにするような出版社のライセンス条件の変更を問題視しているのである。

 遅々としてすすまない米国著作権法改訂作業とは別に、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、オンライン授業に切り替わる学校が続出する中で、安易なデジタル資料作成・提供を危惧して、大学図書館等で勤務する著作権担当図書館員のグループが、著作権遵守とフェア・ユースについての声明を出している(29)。現在、大学図書館等が契約して利用できる電子書籍アーカイブであるHathiTrust(30)や、Google Booksをめぐる全米作家ギルドとGoogleの裁判事例(31)にみられるように、電子化することと提供することには大きな隔たりがある。そこで著作権者とその代理人である出版社と、利用提供側である図書館との間に軋轢が生じる。

 さらに、その利用面では、図書館間での電子書籍や電子資料の相互貸借(ILL)は可能なのか、図書館で買い取り入手した電子書籍を「中古品」として再販売可能なのかどうか、など議論点は多い。

 

まとめ

 本稿執筆時点(2020年4月)では、新型コロナウイルス感染症蔓延に関連して、米国では多くの出版社等が電子書籍をオープンにする動きがある。ただ、終息したあと、電子書籍利用について図書館界と著作権者や出版社などが再び以前の状況にもどるのか、あるいは社会的貢献の影響を鑑みて、新しい状況を生み出すのかはまだよくわからない。ただ、オンライン上のオーディオブックを中心とした販売市場が拡大する一方、電子書籍売り上げが低下していくなかで、いわゆる「海賊版サイト」や違法ダウンロードを取り締まる担当部局が設立され強権を行使することが考えにくい「自由の国」米国では、電子書籍利用や価格などの明確な交渉窓口である図書館界に対する風当たりが強くなることは想像に難くないといえよう。

 

(1) Perrin, Andrew. “One-in-five Americans now listen to audiobooks”. Pew Research Center. 2019-09-25.
https://www.pewresearch.org/fact-tank/2019/09/25/one-in-five-americans-now-listen-to-audiobooks/, (accessed 2020-04-19).

(2) 73 public library systems enable readers to borrow 1 million ebooks. Impact Financial News. 2020-01-15.

(3) Watson, Amy. “E-books – Statistics & Facts”. Statista. 2018-12-18.
https://www.statista.com/topics/1474/e-books/, (accessed 2020-04-19).

(4) “AAP OCTOBER 2019 STATSHOT REPORT: INDUSTRY UP 3.6% YEAR-TO-DATE”. Association of American Publishers. 2020-01-14.
https://publishers.org/news/aap-october-2019-statshot-report-industry-up-3-6-year-to-date/, (accessed 2020-04-19).

(5) Kozlowski, Michael. “Macmillan is thinking about scrapping their library embargo”. Good e-Reader. 2020-03-09.
https://goodereader.com/blog/digital-library-news/macmillan-is-thinking-about-scraping-their-library-embargo, (accessed 2020-04-19).

(6) Carton, Amy. “The Latest on #eBooksForAll; Organizers give members a campaign update”. American Libraries. 2020-01-26.
https://americanlibrariesmagazine.org/blogs/the-scoop/the-latest-on-ebooksforall/, (accessed 2020-04-19).
Pike, George H. Congress, Libraries, and the Ebook Industry. Information Today. 2020, 37(1), p. 6.

(7) Albanese, Andrew. “Macmillan Abandons Library E-book Embargo”. Publishers Weekly. 2020-03-17.
https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/libraries/article/82715-macmillan-abandons-library-e-book-embargo.html, (accessed 2020-04-19).

(8) “ALA welcomes cancellation of Macmillan embargo”. ALA News. 2020-03-17.
http://www.ala.org/news/press-releases/2020/03/ala-welcomes-cancellation-macmillan-embargo, (accessed 2020-04-19).

(9) 伊藤倫子. 電子書籍貸出サービスの現状と課題 米国公共図書館の経験から. 情報管理. 2015, 58(1), p. 28-39.
https://doi.org/10.1241/johokanri.58.28, (参照 2020-04-19).
この論文では2014年時点までの米国における電子書籍貸出モデルについての議論を紹介している。

(10) #eBooksForAll.
https://ebooksforall.org/, (accessed 2020-04-19).

(11) “eBook licensing terms for Big Five Publishers”. #eBooksForAll.
https://ebooksforall.org/index.php/faq/index.html, (accessed 2020-04-19).

(12) Carton. op. cit.

(13) Maier, Robert C. “DCL Ebook report, August 2015”. American Libraries. 2015-08-13.
https://americanlibrariesmagazine.org/blogs/e-content/dcl-ebook-report-august-2015/, (accessed 2020-04-19).
Larue, James. “DCL Ebook Report, July 2015”. American Libraries. 2015-07-14.
https://americanlibrariesmagazine.org/blogs/e-content/dcl-ebook-report-july-2015/, (accessed 2020-04-19).

(14) Breeding, Marshall. “OverDrive’s New Owners : What It means; Investment firm KKR purchases leading ebook provider”. American Libraries. 2019-12-31.
https://americanlibrariesmagazine.org/blogs/the-scoop/overdrives-new-owners-what-means/, (accessed 2020-04-19).

(15) “Library Privacy Checklists”. ALA.
http://www.ala.org/advocacy/privacy/checklists, (accessed 2020-04-19).

(16) “Librarians Weigh Kindle Ebook Lending against Reader Privacy”. American Libraries. 2011-10-19.
https://americanlibrariesmagazine.org/blogs/e-content/librarians-weigh-kindle-ebook-lending-against-reader-privacy/, (accessed 2020-04-19).

(17) “SB-602 Reader Privacy Act”. California Legislative Information.
http://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=201120120SB602, (accessed 2020-04-19).

(18) Intellectual Freedom Committee of the American Library Association. “Library Privacy Guidelines for Vendors”. ALA. 2020-01-26.
http://www.ala.org/advocacy/privacy/guidelines/vendors, (accessed 2020-04-19).

(19) “Copyright Law of the United States”. Copyright.gov.
https://www.copyright.gov/title17/, (accessed 2020-04-19).

(20) “101. Definitions”. Copyright.gov.
https://www.copyright.gov/title17/92chap1.html#101, (accessed 2020-04-19).

(21) “108. Limitations on exclusive rights: Reproduction by libraries and archives”. Copyright.gov.
https://www.copyright.gov/title17/92chap1.html#108, (accessed 2020-04-19).
“Revising Section 108: Copyright Exceptions for Libraries and Archives”. Copyright.gov.
https://www.copyright.gov/docs/section108/, (accessed 2020-04-19).

(22) 2008年にコロンビア大学図書館著作権担当者など数人の図書館関係者を含む調査研究グループが米国議会図書館(LC)を通じて図書館における電子資料利用の例外規定を求める報告書を提出したものの、現時点でも改訂にいたっていない。
“Study Group Issues Report Recommending Changes in Copyright Law to Reflect Digital Technologies”. LC. 2008-03-31.
https://www.loc.gov/item/prn-08-063/, (accessed 2020-04-19).
“The Section 108 Study Group Report”. The Section 108 Study Group. 2008-03.
http://www.section108.gov/docs/Sec108StudyGroupReport.pdf, (accessed 2020-04-19).

(23) “ALA denounces Amazon, Macmillan in response to Congressional inquiry on competition in digital markets”. ALA News. 2019-10-23.
http://www.ala.org/news/press-releases/2019/10/ala-denounces-amazon-macmillan-response-congressional-inquiry-competition, (accessed 2020-04-19).

(24) “National Emergency Library”. Internet Archive.
https://archive.org/details/nationalemergencylibrary, (accessed 2020-04-19).

(25) Jahner, Kyle. “Internet Archive Defends Massive Online ‘Emergency Library’”. Bloomberg Law. 2020-04-14.
https://news.bloomberglaw.com/ip-law/internet-archive-defends-massive-online-emergency-library, (accessed 2020-04-19).

(26) Grady, Constance. “Why authors are so angry about the Internet Archive’s Emergency Library; Authors are suffering under the pandemic economy, too. They say the Emergency Library will make things worse”. Vox. 2020-04-02.
https://www.vox.com/culture/2020/4/2/21201193/emergency-library-internet-archive-controversy-corona-virus-pandemic, (accessed 2020-04-19).

(27) “107. Limitations on exclusive rights: Fair use”. Copyright.gov.
https://www.copyright.gov/title17/92chap1.html#107, (accessed 2020-04-19).

(28) “Copyright & Fair Use”. ALA.
http://www.ala.org/advocacy/intfreedom/iftoolkits/litoolkit/copyright_fairuse, (accessed 2020-04-19).

(29) “Public Statement of Library Copyright Specialists: Fair Use & Emergency Remote Teaching & Research”. 2020-03-13.
https://tinyurl.com/tvnty3a, (accessed 2020-04-19).

(30) HathiTrust digital library.
https://www.hathitrust.org/, (accessed 2020-04-19).
著作権で保護された資料については、対応する冊子体資料を所蔵する図書館からはアクセスできるが、その他の図書館からはアクセスできない。

(31) HathiTrust、及びGoogle Booksと全米作家ギルドとの裁判の経緯は以下を参照。
時実象一. 大学図書館書籍アーカイブHathiTrust. 情報管理. 2014, 57(8), p. 548-561.
https://doi.org/10.1241/johokanri.57.548, (参照 2020-04-19).
松田政行編. Google Books裁判資料の分析とその評価 : ナショナルアーカイブはどう創られるか. 商事法務, 2016, 292p.

 

[受理:2020-05-26]

 

補記:本稿脱稿後、米国出版協会(AAP)の会員企業複数社により、p.18で取り上げたInternet Archiveに対する著作権侵害訴訟が提起された。

“Publishers File Suit Against Internet Archive for Systematic Mass Scanning and Distribution of Literary Works.” AAP. 2020-06-01.
https://publishers.org/news/publishers-file-suit-against-internet-archive-for-systematic-mass-scanning-and-distribution-of-literary-works/, (accessed 2020-06-07).

 


井上靖代. 米国での電子書籍貸出をめぐる議論. カレントアウェアネス. 2020, (344), CA1978, p. 16-20.
https://current.ndl.go.jp/ca1978
DOI:
https://doi.org/10.11501/11509688

Inoue Yasuyo
“Library War” over E-Book Lending at Libraries in the US