E756 – 東南アジア逐次刊行物の総合目録編集プロジェクト<報告>

カレントアウェアネス-E

No.123 2008.02.20

 

 E756

東南アジア逐次刊行物の総合目録編集プロジェクト<報告>

 

 情報資源共有化の方向性を検討することで地域研究の推進を図る「地域研究コンソーシアム・情報資源共有化研究会」では,科学研究費基盤研究(A)「アフロ・アジアの多元的情報資源の共有化を通じた地域研究の新たな展開」との共同プロジェクトとして,東南アジア関係逐次刊行物の日本における総合目録を編集している。

 同様の目録としては,『東南アジア諸語逐次刊行物総合目録』(アジア経済研究所, 1993)があるが,今回はこれを更新するのみでなく,収録範囲を拡大し,冊子体と合わせてインターネット上でも公開することで,より広範に活用され,常時アップデート可能なものを目指している。

 収録対象資料は,東南アジアで刊行された,あるいは刊行されている逐次刊行物(現地語,現地語以外の両方を含む。)と,東南アジア以外の地域で刊行された,当該地域に関する主要学術雑誌である。参加予定機関は,2007年12月現在,大阪大学付属図書館箕面分館,京都大学東南アジア研究所図書室,京都大学地域研究総合情報センター図書室,東京大学経済学部図書館,名古屋大学法政国際教育協力研究センター,日本貿易振興機構アジア経済研究所図書館,国立国会図書館の7館だが,「アジア情報機関ダイレクトリー」に収録されている約100の機関にも,所蔵,整理状況に関するアンケートを行い,書誌,所蔵情報の収録を検討する。なお,成果は2008年度中に公開される予定である。

 また,このプロジェクトの一環として,2008年1月に現地調査を実施した。タイ,シンガポール,インドネシアの国立図書館,大学図書館,研究所等計27機関を訪問し,雑誌の所蔵,記事索引データベース,フルテキストの公開状況等を調査した。さらに,主に社会科学分野の研究者に会い,学術誌の中でも特に欠かせない雑誌や,一般誌や時事誌の中で注目すべき雑誌についてヒアリングを行った。この現地調査で得た情報をもとに,今後,東南アジア研究のコアジャーナルの選定を試み,日本国内における所蔵状況の調査,分担収集の検討を進めていく予定である。

(国立国会図書館:小笠原綾)

Ref:
http://www.jcas.jp/
http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/jcas/infoshare/
http://seika.nii.ac.jp/search_pjno.html?PJNO=18201047
http://www.ndl.go.jp/jp/service/kansai/asia/directory/index.html