カレントアウェアネス-E
No.108 2007.06.13
E658
ISO/TC46 スペイン大会,開催される<速報版>
国際標準化機構/情報とドキュメンテーション技術委員会(ISO/TC46)の国際会議が2007年5月7日から11日までスペインのサンチアゴ・デ・コンポステーラで開催された。2003年ローマ大会以来の大規模なTC46会議となった今回のスペイン大会では,TC46の運営にかかわる決議を行うTC46全体総会,新規の規格作成や既存の規格の改定内容について決議するSC(Subcommittee)総会,規格の原案を作成・検討するWG(Working group)が数多く開かれた。WGだけの出席者も含めると,総勢25か国100名を超える参加があった。日本からはISO加盟機関である日本工業標準調査会(JISC)の代表として,国立国会図書館をはじめ5機関5名が参加した。
TC46に属するSCには,SC4(技術的な相互運用性),SC8(品質−統計と評価),SC9(情報源の識別と記述),SC11(アーカイブと記録管理)があり,今回の会議の主なトピックはそれぞれ次のようなものであった。
- SC4(技術的な相互運用性):
- WD 20775「所蔵情報データ用XMLスキーマ」の作成
- WD 28560「図書館におけるRFID利用のためのデータモデル」の作成
- CD 28500「WARC(Web ARChive file format)」の修正(再度CD投票へ)
- ISO 8459「書誌データ要素台帳」シリーズの改定(DIS投票へ)
- SC8(品質−統計と評価):
- SC9(情報源の識別と記述):
- 20年来事務局を務めてきたカナダ国立図書館・文書館が2008年に交代
- ISO 10957: 1993「国際標準楽譜番号 (ISMN)」の改定(DIS投票へ)
- WD 26324「DOI(Digital Object Identifier)システム」の作成
- 新規作業項目として「国際標準コレクション識別子
(ISCI: International Standard Collection Identifier)」をフィンランドが提案(NP投票へ)
- SC11(アーカイブと記録管理):
- ISO 15489「記録管理(Record Management)」シリーズの改定
- WD 23081-3「記録のためのメタデータ−Part3」の作成
- WD(TR) 26102「電子的記録の長期保存の要件」の作成
- CD 26122「記録のためのワーク・プロセス・アナリシス
(Work process analysis)」の修正(TR化へ)
スペイン大会の最後を締めくくるTC46全体総会では,20か国約50名の出席があり,TC46のビジネスプランの検討,TC46事務局からの報告,各SCの報告等があった。次回のTC46大会は,2008年5月12日から16日までストックホルム(スウェーデン)で開催予定である。
(国立国会図書館 徳原直子)
(注)国際規格となるまでの道のりは,次のとおりである。ただし,改定内容や投票の状況(全員賛成など)によってスキップ可能な段階もある。
新規作業項目の提案(NP: new work item proposal)の投票
⇒ワーキングドラフト(WD: working draft)の作成
⇒委員会原案(CD: committee draft)の投票
⇒国際標準原案(DIS : draft international standard)の投票
⇒国際標準最終案(FDIS : final draft international standard)の投票
⇒ISOとして出版
Ref:
http://ci.nii.ac.jp/vol_issue/nels/AN10005857/ISS0000347980_jp.html
http://www.iso.org/iso/en/CatalogueListPage.CatalogueList?COMMID=1757
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