E491 – 公立図書館におけるレファレンスサービスに関する報告書2005 <文献紹介>

カレントアウェアネス-E

No.83 2006.05.24

 

 E491

公立図書館におけるレファレンスサービスに関する報告書2005 <文献紹介>

全国公共図書館協議会. 2005年度(平成17年度)公立図書館におけるレファレンスサービスに関する報告書. 2006. 59p. (オンライン), < http://www.library.metro.tokyo.jp/15/pdf/r05_allchap.pdf >, (参照2006-5-23)

 全国公共図書館協議会は2003年度から,「公立図書館におけるレファレンスサービス」に関する調査・研究を実施した。初年度である2003年度には,全国の都道府県立図書館,市区立図書館,町村立図書館の各中心館を対象に,「公立図書館におけるレファレンスサービスに関する実態調査」を実施し,続く2004年度には調査データの分析および事例報告がおこなわれた。これらをふまえ公共図書館におけるレファレンスサービスのモデル提示を目標とする調査・研究を実施し,2006年3月にその成果報告書を公表した。

 今回公表された『2005年度(平成17年度)公立図書館におけるレファレンスサービスに関する報告書』では,調査・研究報告として小田光宏氏執筆の「レファレンスサービスの改善と向上に向けてのガイドライン(案)」および吉田昭子氏執筆の「レファレンスサービスに関する規程類について」が,事例報告として「特色のあるレファレンスサービスの事例」が,それぞれ掲載されている。

 「レファレンスサービスの改善と向上に向けてのガイドライン(案)」では,2003年度から実施されてきた調査・研究および今回実施した訪問調査に基づき,市町村の図書館(政令指定都市・中核市・特例市をのぞく)におけるレファレンスサービスの理想像を具体的に示し,現状改善の方策が提言されている。用語,サービス内容,サービス範囲,施設と設備,レファレンス担当者,レファレンスコレクション,PR活動,記録,経営,評価の10項目についての指針に加え,さらに「ガイドライン(案)」の充実にむけての今後の課題が提示されている。

 「レファレンスサービスに関する規定類について」では,2003年度の「実態調査」の分析として,調査時に収集した各図書館の規程,内規,マニュアル類を,タイトルに用いられている用語,インターネット等の利用規程やレファレンスサービス規程との関係の観点から考察を加えている。さらに1961年に編纂された日本図書館協会公共図書館部会参考事務分科会「参考事務規程」と,1999年に改訂された「東京都立図書館情報サービス規程」を対照表を用いて比較している。

 また「特色のあるレファレンスサービスの事例」では,全国24館における公共図書館のレファレンスサービスの事例を,ビジネス支援,学校支援,行政支援,その他の4分野に分類して紹介している。

Ref:
http://www.library.metro.tokyo.jp/15/pdf/rallchap.pdf
http://www.library.metro.tokyo.jp/15/pdf/r2allchap.pdf